「ブランド側に残された選択肢は、こうした意見を無視するか、ユーザーと積極的に関わっていくかのどちらかしかありません。確かに人々の反応とダイレクトに向き合うことのハードルは高いかもしれませんが、そうしなければ、ネット上で支持を得ることは難しいんです。恋愛と同じで、まず相手の話を聞く姿勢を見せなければ好きになってもらえませんから。その意味で、バーバリーはラグジュアリーブランドのなかでもほとんど唯一、ソーシャルメディアの本質である双方向型のコミュニケーションを実現することで、日々デジタルツールを使いこなすようなった人々の支持を集めたと言えます」(田端氏)

 例えば、バーバリーは2010年の春夏コレクションからファッションショーをオンラインでライブ配信するプロジェクトを行っています。しかし、“ショーをネット上で公開する”というだけなら、どこのブランドもやっていること。バーバリーが画期的だったのは、ツイッターやフェイスブックのアカウントを通じて、世界中の視聴者がリアルタイムでコメントを投稿できる仕組みを取り入れたことにあります。

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バーバリーではショーのライブ配信を行う際、ネット視聴者に「#Burberry」を付けてコメントを積極的につぶやくように促している。画像は2014年メンズ秋冬コレクションのツイッター検索の様子で、賞賛コメントのほか、ネガティブなコメントも散見される。

 今年1月9日に行われたばかりの2014年メンズ秋冬コレクションでも、人々はショーの中継を見ながらネット上に、「今のコートは欲しい!」「このバッグはいまいち」などのコメントを大量に書き込んでいました。良い情報も悪い情報も、等しく拡散されていったわけです。

 従来のファッションショーは、一部のファッション業界人やメディア関係者、そしてセレブのみが招待され、人々はファッション雑誌などを通じて購入の判断をするしかありませんでした。しかし、バーバリーはフロントローを広くネット上に開放することで、文字通り誰でもショーを批評できる環境を作り上げたのです。

 バーバリーはショーを開放し、人々は自由に意見をつぶやくようになりました。では、次に課題になるのは、そんな双方向型のコミュニケーションがちゃんと現実の購買に結びつくのか?という疑問です。