「人々の消費に対する価値観が変わっているなかで、“本質的な価値の提供”を謳うラグジュアリーブランドにはサステナブルな活動が欠かせないものとなっています。もちろん、環境に優しい商品を作るのもそのひとつですが、クラフトマンシップのような歴史的な財産によって発展してきたラグジュアリーブランドにとっては、もっと長期的で、未来につながるような取り組みが必然的に求められます。それが学校の創設といった若い才能のバックアップであり、今回のような支援活動だったと思います。ボッテガ・ヴェネタは2006年という早い段階からその立場を明確に示しており、ラグジュアリーの分野における現代的な社会貢献の先駆けとなっていました」

それ以降、職人のノウハウを保護するだけでなく、広くシェアしていこうとするラグジュアリーブランドは、ここ数年で着々と増え始めています。

ラグジュアリーであれば、シェアされてもブレない

1906年の創業以来、時代を超える宝飾品を生み出してきた「ヴァンクリーフ&アーペル」は、その優れたクラフトマンシップを次世代に継承すべく、2012年2月にジュエリー学校「レコール ヴァンクリーフ&アーペル」を発祥の地であるパリのヴァンドーム広場に開校しました。

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18世紀建立のタウンハウスに創設された「レコール ヴァン クリーフ&アーペル」。それはクラフトマンシップを教える学校でもあり、芸術について語り合うサロンでもある。

コンセプトはまさに、「ベールを取り去り、美しいジュエリーの世界の知識を共有し、その技術を継承すること」。

学校には世界中から誰でも参加することができ、職人の技術以外にも、芸術史や素材に対する知識などといった鑑識眼を育むカリキュラムも用意。これまで決して表に出ることがなかった歴史あるジュエラーの「魂」を学ぶことができます。専門家や業界関係者以外にも門戸を開いたことは大きな話題を呼び、これまでに28カ国、1500人以上が受講してきたそうです。

2013年7月には海外で初めて、東京で特別講座が開催。これは同ブランドの日本上陸40周年を記念して、東京ステーションホテルで行われました。ハイジュエリーのアトリエで働く「マンドール(黄金の手)」と呼ばれる名匠も来日し、すべての授業を各分野のエキスパートが担当しました。