さらに場について、次の点を把握しておくことが必要となります。

⑤日時・場所は?
⑥スピーチは何分か?
⑦質疑応答はあるか?
⑧前後のスピーカーはいるか? 誰か? 何を話す予定か?
⑨過去に同様の場は設けられたか? スピーカーは誰か? 何を話したか?
⑩どんな会場か?(屋内か屋外か、演台の位置、聴衆との距離、プロジェクター、マイクの型など)

 これらの点について、ジョブズのスピーチの場合で考えてみましょう。

⑤日時・場所
・2005年6月12日(日)9時30分?11時30分
・スタンフォード・スタジアム

⑥スピーチの長さ
・30分以内

⑦質疑応答
・なし

⑧前後のスピーカー
・前半はキャンパス内での卒業式典
・後半はスタジアムで、学長スピーチ、表彰に続いてスピーチを行う。
・話の前に、学長より紹介が行われる。

⑨過去のスピーカー
・2002年 コンドリーザ・ライス アメリカ国家安全保障アドバイザー
・2003年 アレハンドロ・トレド ペルー大統領(卒業生)
・2004年 サンドラ・デイ アメリカ最高裁判事(卒業生)

⑩会場の状況
・スタンフォード・スタジアムは座席数5万のアメフト競技場
・フィールド内の座席とスタジアム観客席に卒業生と家族約3万人が着席
・演台あり、固定式マイク使用 ・プロジェクターは使用不可(会場が広すぎて見えない)
・聴衆との距離は近くて20メートル先

 このような点を確認することで、どんな会場で、どのような流れの中でスピーチを行うのかが大まかに想像できることでしょう。ジョブズの場合は、以下のようになるのではないでしょうか。

「会場は5万人収容できる巨大なアメフト競技場で、3万人という大変な数の聴衆を前にした話」
「大きな会場で、遠くの聴衆からは自分の姿は小さく、表情も見えにくいと思われる。したがって、主に声でメッセージを伝える必要がある」
「名門大学の卒業式というフォーマルな場で、演台に固定マイク。伝統的なスタイルに則ってスピーチを行う必要がある」
「時間は30分程度、つまり、短い時間で効果的にメッセージを伝えなければならない」