いまこそ、自分のコミュニティを創るとき

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神田昌典(かんだ・まさのり)
経営コンサルタント、作家。日本最大級の読書会『READ FOR ACTION』主宰。公益財団法人 日本生涯学習協議会理事。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士(MBA)。2007年、総合誌で“日本のトップマーケター”に選出。著書は『全脳思考』『60分間・企業ダントツ化プロジェクト』(以上、ダイヤモンド社)、『成功者の告白』『人生の旋律』(以上、講談社)、など多数。

 影響力を発揮したければ、自分のコミュニティを創ることが非常に有効だ、と神田氏は指摘する。「自分のビジョンを発信し、人々の共感を得ることでコミュニティは創れます。さらにそのビジョンを広めることで、よりコミュニティは拡大し、影響力もどんどん増していくのです」
 実例を挙げよう。安価な外国産の材木輸入などにより、国内林業は力を失っている。山林の手入れが不足すれば枯れ果ててしまう。そのような環境問題に着目し、NPO活動を始めた例が「キコリ講座」。ユニフォームがかっこいいという理由で、30代~50代を中心に参加者が集まったという。しかも3割は女性というから驚きだ。彼らは間伐をすることで森林の再生に貢献しているだけでなく、その間伐材からペレットをつくっている。ペレットはストーブの燃料となるため、灯油を購入する必要がなくなる。そうすれば節約できた費用を、子どもの教育などに再投資できるようになる。こうして生まれた好循環から、建材や燃料のコストを少しでも下げるという社会貢献を果たしている。さらにそこから発展して、スポーツとして伐倒技術を競う「キコリンピック」が生まれた。スポーツの概念を持ち込むことで、コミュニティをより拡大させたのだ。

 ソーシャルメディアが発達したことで、ビジョンを広めることは簡単にできるようになった。NPOの活動も盛んになってきていることから、人も集めやすくなっている。東京オリンピックの開催が決まり、日本のプレゼンスがますます高まっているいまが、コミュニティ創造をするチャンスだ、と神田氏は語る。

 神田氏は「コミュニティが創造する価値は、経済的なものよりも社会的なものの方が大きい。一方で社会経済の成立には営利組織の存在は欠かせないものである」と説く。コミュニティの拡大は、そうした営利組織に対する影響力を強めることにもなる。NPOと営利組織が協力することで、よりハイブリッドな価値を生み出し、ウイン・ウインの関係を築くことができる。そうした社会貢献は紛れもなく、自分の社会的価値を高めることになる。

「影響力とは人を動かす力のこと」とピンク氏は定義した。大きな影響力を持つことは、すなわち多くの人を動かす力を得るということである。多くの人が動けば、社会を変えることができる。影響力を強めることが、新たな未来を生み出すことに繋がるのだ。