2.よりシンプルな測定方法。ほとんどの企業は、本社が管理する膨大な質問項目から成る従来型の年次調査を使って従業員満足を測定している。それは、多数の指標に亘る非常に詳細なレポートになる。だが多くの企業がネット・プロモーターのアプローチを見習いはじめている。従業員に対してより頻繁に調査を実施し、少数の簡潔な質問項目を用い、レポート作成と報告業務を単純化している。当社を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?当社の商品やサービスを潜在顧客に薦める可能性はどのくらいありますか?あなたの回答の背景にある主な理由は何ですか?こうした企業では、改善機会や課題について従業員自身の言葉で回答してもらうことが出来る。フィードバックを聞くことは時に不快なことかもしれない――従業員は厳しい評価を付ける傾向があるからだ。だがそれは行動を起こすモチベーションを高めてくれるだろう。

3.顧客からの直接的なフィードバック。当然、最も重要なステップは、顧客からのフィードバックを一定頻度でなるべく生の声に近い形で従業員と共有する「クローズド・ループ」を実施することである。現場スタッフやマネージャーが顧客の声を直接聞く時――顧客体験にどのような評点が付けられたかを確認し、何が正しく何が間違っていたのかに関する声をそのまま聞くこと――その効果は劇的である。ポジティブなフィードバックによる賞賛は、従業員が良い仕事を続ける動機付けとなる。批判の声によって、従業員が自身でパフォーマンス向上を目指す、或いは追加のコーチングを求め次回以降改善できるように努めることも多い。

 顧客の反応から学ぶことが出来るのは現場スタッフだけではない。例えば、ロジテックは、1つ1つの商品についてネット・プロモーター・スコア(NPS)を集め、それぞれの商品に責任を負う技術者たちが顧客の考えを確実に見て聞けるようにしている。新しいキーボードが批判的な評価を得たとき、同社はその問題をすぐに特定して改善モデルを出すことが出来た。

 忠実で、情熱ある従業員は、忠実で情熱ある顧客を生み出す。そのような従業員は、より長く同じ会社で働き、より懸命に働き、創造性を発揮し、もうひと頑張りしようという気力を持っている。それは、従業員、顧客、そして株主の一層の幸福を広めるのだ。


HBR.org原文:Transform Your Employees into Passionate Advocates January 27, 2012

 

ベイン・アンド・カンパニー(Bain & Company)
1973年に創設。世界32ヶ国に50拠点のネットワーク、約5700名を擁する世界有数の戦略コンサルティングファーム。クライアントとの共同プロジェクトを通じた結果主義へのこだわりをコンサルティングの信条としており、結果主義の実現のために、高度なプロフェッショナリズムを追求するのみならず、きわめて緊密なグローバル・チームワーク・カルチャーを特徴としている。