こうした態度や行動に対処するために、企業は何ができるだろうか。以下に4つの提案を示したい。2つは組織に対して、次の2つは従業員個人に対してのものである。

組織への提案

●礼節を優先事項とし、ガイドラインを作成する
 従業員はみな忙しい。しかし、微笑んだり、「こんにちは」と声をかけたり、辛辣な言葉を控えるのに、長い時間はかからない。我々は論文で、ルイジアナ州の大型病院、オクスナー・ヘルス・システムが実施している「10/5ウェイ」と呼ばれる方針を紹介している。人と10フィート(約3メートル)以内に近づいたら目を合わせること、5フィート(約1.5メートル)以内に近づいたら「こんにちは」と声をかけることを義務とするものだ。これにより、同病院では患者の満足度が向上し、患者からの問い合わせも増えているという。

●トレーニングを提供する
 これによって効果が出るかもしれない。我々のブログに、ある上司についてのコメントが寄せられた。その上司は非常に戦闘的で、10年ものあいだ、彼の秘書になった人は半年も経たないうちに辞めるか異動を申請していた。やがて人事部の代表が、あと1人秘書が辞めたら彼自身もクビだと伝えた。そこで初めていくつかのトレーニングを受け、よりよい行動様式を学び、やがて「一緒に働くには最良の上司」になったという。

従業員への提案

●正面から取り合わず、背を向ける
 本来ならば、無礼に対して従業員が声をあげ、経営陣がそれに対応することが理想的である。しかし、我々の研究やこのブログの読者の声から判断すると、訴えの声をあげることが常に現実的とは限らない。そうした場合には、落ち着いて反応することだ。あるマネジャーは、上司が電話で「狂い」始めると、シンプルにこう言って聞かせるという。その問題については喜んで議論しますが、それは礼儀を踏まえて話ができる場合だけです、と。そして(話を続けずに)電話を切る。また、周囲にこうアドバイスしている人もいる。「自分のなかで、やり過ごすとよい。・・・・・・攻撃をするのは小さな人間だ。尊厳を持って立ち去るのが大きな人間だ」。礼節が戻るまで会話から離れることが、唯一の解決策である場合も多い。

●無礼な行動から学ぶ
 誰かに失礼な態度を示されると、同じ態度で返したり、別の人に同じように振る舞ったりしたくなる。そうする代わりに、これを学習機会と捉えるとよい。ある若い読者は次のような経験を教えてくれた。彼女より経験の長い従業員が、彼女の電話会議を中断させて用件を持ってきた。彼女が異議を唱えると、こう言ったという。「君と私は対等じゃないんだよ」。その後、彼女も経験を積み、いまではこう考えているという。「『私たちは対等ではないのだろうか』などと、誰にも感じさせないようにするつもりです」。別の読者はこう書いている。「自分は同僚に無礼な態度を取ってきましたが、その後は決まって、苦い思いばかりが残りました。・・・・・・失礼な態度は、それをやる者と受ける者、両方を傷つけます」

 皆さんがコメントを寄せてくれたことに感謝したい。失礼な態度がいまだ蔓延していることがよく理解できた。

 さて、あなたの会社には、礼節のなさに対処する方策があるだろうか? あなた自身はどうだろう?


HBR.ORG原文:You're Rude Because Your Boss Is Rude January 18, 2013

 

クリスティーン・ポラス(Christine Porath)
ジョージタウン大学マクドナー・スクール・オブ・ビジネス准教授。

クリスティーン・ピアソン(Christine Pearson)
サンダーバード国際経営大学院教授。グローバル・リーダーシップ論を担当。