リーダーにとって、明確で魅力的な戦略目標を設定し社員に理解させることは、容易ではない。目標達成の方法について社員に自由裁量を与えることは、さらに難しい。そこで、リーダーが最もやるべきことを提案したい。部下を「取り調べる」のではなく、「気にかける」というマインドセットを取り入れることだ。仕事が完了したかどうかを部下に始終尋ねているならば、それは取り調べだ。彼らがどんなやり方で目標を達成するかを常に監視しているのなら、それも同じく取り調べだ。これは、典型的なマイクロマネジメントである。自分の判断や能力、スキルが評価されていないと部下に感じさせ、さらには実験の精神を抑制してしまう。結果として、「取り調べ」はモチベーションと創造性の両方を殺すのだ。

 したがって、部下にはこのように問いかけるべきだ。「そのプロジェクトをやり遂げるために、何が必要だろうか?」、「進捗を阻んでいることはないだろうか?」、「何か手助けできることはないだろうか?」。このように尋ねれば、常に監視下に置かれているという不安を与えずに部下に目を配りながら、プロジェクトの進行具合を確認できる。さらに重要なことに、部下が本当に必要としている資源や支援を、より提供しやすい立場に身を置くことができる。最後に、気にかけるという行為をうまくできれば、リーダー自身の意図――特に、プロジェクトに有益となる情報――をチームと共有することにもなる。

 すなわち、「気にかける」ことはコラボレーションを意味するのだ。「取り調べ」は息苦しさをもたらすだけだ。

 あなたの企業はバルブのように、採用した社員が各々の任務に有能であると信じているだろうか。もしそうであれば、常に取り調べるよりも、気にかけるほうが理に適っている。我々が実施した調査(「進捗の法則」。英語サイトはこちら)によれば、人々が仕事において最も望んでいるのは適正な報酬以上に、有意義な仕事に従事して成功する機会である。最も優れたマネジャーはこのことを理解し、社員に明確な目標と真の当事者意識の両方を持たせる方法を見出すのだ。

 部下を取り調べることなく、気にかける(またはその逆の)リーダーにまつわる経験を、読者の皆さんはお持ちだろうか。


HBR.ORG原文:Checking In with Employees (Versus Checking Up) May 7, 2012

 

テレサ・アマビール(Teresa Amabile)
ハーバード・ビジネススクール(エドセル・ブライアント・フォード記念講座)教授。ベンチャー経営学を担当。同スクールの研究ディレクターでもある。

スティーブン・クレイマー(Steven Kramer)
心理学者、リサーチャー。テレサ・アマビールとの共著The Progress Principle(進捗の法則)がある。