●大半の隠れたチャンピオンは、極度に集中して事業を行っている。2、3の例を挙げよう。ユングブンツラワーは世界中でコカ・コーラにクエン酸(及び数種類の塩類・甘味化合物)を供給する。テトラミンは魚の餌を製造・販売するナンバーワン企業である。ウールマンは医薬品向け包装システムの世界的なリーダー企業で、フレキシは犬用リードの世界的トップメーカーである。

●彼らが手掛けるのは単一の事業だが、他に類を見ないほど卓越している。素晴らしい効率性を実現しているからだ。そのため、非常に物価の高い国を本拠としているにもかかわらず、価格競争力がある。

●彼らの製品ラインはシンプルなので、複雑なプロセスや組織構造とは無縁であり、マネジメント階層は非常にスリムである。

●単一製品(あるいは単一カテゴリー)に極度に集中することのハンデを無くすために、広く海外展開を図り、巨大な規模の経済を享受している。

 このような特徴が合わさって、これらの企業は集中型ビジネスモデルの模範となり、最も厳しい経済状況の下でも繁栄していると思われる。ここから、いくつかの興味深い疑問が浮かび上がってくる。なぜ他の国々では、こうした企業をあまり見かけないのだろうか? 集中型を持続しにくい文化的要因があるのだろうか? 公開企業には、新しい分野に進出して絶えず成長しなくてはならないというプレッシャーがかかっているのだろうか?

 その答えが何であれ、極度の集中戦略がビジネスモデルを革新する方法の1つであることは、往々にして見過ごされている。これはベンチャー企業でも、既存企業でも同じである。集中戦略で成功しているアメリカ企業の事例として、我々が好んで挙げるのが、ダイパーズドットコム、そしてメッセンジャーバッグのメーカーであるティンバックツー(Timbuk2)である。それに続く集中型企業は、どこだろうか。

 

HBR.ORG原文:Extreme Focus and the Success of Germany's Mittelstand February 12, 2013

 

カラン・ジロトラ(Karan Girotra)
INSEADのテクノロジー・アンド・オペレーション・マネジメント担当教授。

セルゲイ・ネテッシン(Serguei Netessine)
INSEADのグローバル・テクノロジー・アンド・イノベーション・ティムケン記念講座教授。