職場でダイバーシティ・テンションを活用するにあたり、優れたチームワークを築き効果的な問題解決を行ううえで、人種や文化、経歴の違いが障壁ではなくメリットになることを理解しておきたい。以下に、リーダーがよきダイバーシティ・テンションを促進するための要諦を挙げる。

●多様性を受け入れる職場環境をつくり、意見やスキルの共有が歓迎され重んじられるようにする。

●多様性を尊重することで生まれた成果を認識し、それに報いる。

●人によって学習スタイルと強みが異なることを尊重し、それぞれを評価する。

●異なる経歴を持つさまざまな人たちを、意思決定と問題解決のプロセスに参加させる。

●全従業員の潜在能力を最大限に引き出し、異なるスキルや経歴、文化的知識を補完的に活用する。

●他者の自尊心を傷つける振る舞いを許容しない。他者への偏見や差別的な振る舞いには厳しく対処する。

●ダイバーシティ・トレーニングに参加する。

●多様な背景を持つ人たちがプライベートや仕事で交流し、知り合いになれるような機会をつくる。

 従業員の文化的相違を否定的に見るのではなく、多様性がもたらす緊張をポジティブに捉えれば、豊かでバランスの取れたチームができる。それにより、有益な意見交換、創意あふれる問題解決と意思決定、ユニークな視点からの戦略策定、製品開発の独創的なアイデアが生まれる。そして、多様性に富む労働力を持つことのメリットが組織全体に認識され、グローバルな市場で競争優位を築くカギとなるだろう。


HBR.ORG原文:Learn to Embrace the Tension of Diversity June 16, 2010

 

マーシャル・ゴールドスミス(Marshall Goldsmith)
エグゼクティブ・コーチングの世界的第一人者
ジャック・ウェルチを始め多くの名だたる経営者を指導してきた。代表作に『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』(日本経済新聞出版社)などがある。