川名:では、マーケティングのゴールとは何でしょうか?

セイガー:マーケティングのゴールは、自分の会社ができることを、効果的に、適切な時期に、生活者に対して投げかけることです。そのためには、自分の企業の一番の強みは何か、また生活者が求めていることは何かを深く理解しなければなりません。これはどんな企業でも同じことです。私たちが独自に提供できるものは何で、それは誰に対してなのかということが分かれば、マーケティングは魔法になりうると思います。

左:川名 周 右:ベッキー・セイガー

川名:日本のマーケターの問題ですが、なかなかサイロを崩そうとせずその中にとどまってしまいます。前例を越え、変革を進めることがなかなか難しいのですね。組織が大きく、去年と同じことを前年比で決めていくことしかできない状況を変えるのに、最初の大事なステップは何だと思われますか。

セイガー:企業はそれぞれ異なるのでお答えするのが難しいですが、変化は成功を導くということを信じなければなりません。私の経験から言えることは、企業のトップ層が「変えていこう」という意識をもっていくと、組織全体が変わっていくのではないかということです。

 私がチャールズ・シュワブで成功できたのは、上司である創業者のシュワブ氏(CEO)が、「自分がサポートするから、この必須任務をCMOである君にやってほしい」と言ってくれたからこそです。マーケティングリーダーがしっかりすることは大切ですが、企業のリーダーが、何をやりたくて、そのためにマーケティングに何を求めているかということを明示しなくてはいけません。

川名:我々も日本でそういう動きができるようにがんばっていきたいと思います。

セイガー:できると思います。

 

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第2回 カンヌライオンズでの新たな挑戦とCMOの役割(その2)
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