このように、ひとりひとりの顧客の優良度合いを把握し、時系列の変化を確認しながら、その他の様々なデータを活用し、顧客ごとに最適なコミュニケーション施策を行い、優良化を図っていきます。

「3D-CRM®」の活用イメージを、もう少し具体的にお話しします。例えば、取引レベルと波及レベルが高いものの、ファンレベルが低い顧客についてですが、これまでのように購買実績だけを見れば、充分に優良顧客だと言えます。しかし、ブランドへの好意度がそれほど高くないことから、代替商品がなかったり、安いからというような消極的な理由で購入している可能性があり、ブランドスイッチのリスクが高いと考えられます。また、波及レベルが高いことから、ブランドスイッチしてしまった場合、この顧客自身の取引レベルの低下だけでなく、周りへネガティブな影響を与えてしまうリスクがあることにも留意が必要です。

 このような顧客に対しては、購入のあるうちに、そのブランドのストーリーやUSP(独自の強み)を理解してもらうなど、ブランド好意度を向上させるようなコミュニケーション施策をうち、ファンレベルを上げていくことに注力すべきではないかと考えられます。

 このように、顧客のコンディションを把握し、適切なタイミングで、適切なコミュニケーションアプローチを行い、優良化を図っていきます。取得データが多様になるほど、様々な分析が可能になるのですが、だからこそ、基本となる顧客評価、育成については、シンプルなメソッドが機能すると考えています。

おわりに

 これまでお話ししてきたように、電通では、新しいCRMプラットフォームやメソッドを開発していますが、システムや仕組みは、あくまで、顧客経験マネジメントを実現するためのサポートツールであると考えています。顧客データ分析についても、コミュニケーション施策についても、人間の力で、いかに発見をし、いかにアイデアを生み出すか、ということが、ビッグデータ時代のCRMにおいて、特に重要であると考えます。

 

電通BIM(ビジネス・インテリジェンス・モジュール)
電通BIMとは2012年4月に編成された社内組織。BIMのミッションは、『クライアントのマーケティング活動においてインテリジェンス・メソッドを駆使し、事業目標やキャンペーン目標の達成のためにパートナーとしてお手伝いすること』です。クライアント企業それぞれの課題・ニーズに対して、多様かつ高度なビジネス・インテリジェンス機能を核としながら、適切なモジュールとして各部門が連携し、クライアントのマーケティング活動を支援していく、そのようなソリューションの開発と実践に取り組んでいます。