そうなると当然、顧客に対するコミュニケーションもばらばらに行われることになります。そうなると、おのずと顧客経験価値は低下し、LTVの最大化どころか、顧客離れを起こしてしまいます。様々な顧客に関するデータを、きちんと「顧客データ化」することで、はじめて、「顧客経験マネジメント」が可能となります。顧客ごとに最適なコミュニケーションやサービスの提供を行うことで、顧客経験価値が向上し、ロイヤリティが醸成され、LTVの最大化につながるのです。

(電通では、購買データだけでなく、自社サイトの行動履歴データやソーシャルメディアのアクティビティデータ等を含めて、データ統合とデータ連携による「顧客データ化」を実現し、後に述べる「3D-CRM®」をはじめとした立体的な分析を行い、その結果を踏まえ、顧客ごとに最適なコミュニケーションシナリオの設計、実行、管理(顧客経験マネジメント)を可能にするCRMプラットフォームとして「CubeD®」を新たに開発し、 CRMによるビシネス成長を支援しています。)

新しい顧客評価の視点

 近年のテクノロジー、デジタル環境の変化により、顧客の定義が拡張したことに加え、優良顧客の捉え方もまた変化しています。これまでは、主に、購買データをもとに、自社の商品を多く、長く買ってくれている人を優良顧客と見なすのが一般的でした。しかし、SNSや個人ブログ、比較サイトなどの普及により、クチコミが購買に与える影響はますます大きくなっています。そうなると、優良顧客を捉えるときに、その顧客自身が多く、長く買ってくれているかどうかだけでなく、まわりの人にお奨めしてくれる、波及購買を生んでくれる人かどうか、という視点が必要になってきます。

 電通では、顧客の優良度合いを、これまで主流であった、主に購買実績で測る「取引レベル」に加え、ブランド好意度で測る「ファンレベル」、そして、他者への影響力で測る「波及レベル」の3つの視点で評価し、優良化を図っていくための「3D-CRM®」という顧客評価、育成メソッドを活用しています。

「3D-CRM®」の実行においては、先に述べたように、顧客データ化した上で、行動データと心理データをかけあわせ、顧客構造を把握することが必要になります。取引レベルについては、実購買データのほか、アンケートで捕捉したり、製品登録データなどを用い、ファンレベルについては、アンケートでの補足に加え、サイトアクセス頻度、滞留時間やメール開封、クリック実績といったデータを用います。また、波及レベルについては、TwitterやFacebookでのつながり数やアクティブ度合い、自社コミュニティ内での発言量などのデータを用います。