資源をめぐる争いに関する新たな動きしては、アフリカの重要性が増大することを見ておきたい。さまざまな鉱物資源の埋蔵量に関して、アフリカはかなりの比重を占めており、アフリカを相手とする貿易額も増加し始めている(図表3、4参照)。先進国としては、資源の調達先を多様化させる努力の一環として、アフリカの資源開発に着目していると言えよう。

 水資源についても、資源をめぐる新たな争いが予想されている。2025年までに、18億人が水不足の地域で生活することになるが、その地域の水資源は、現在の1人当たり食料生産量を灌漑農業で供給するには不足している(図表5参照)。その地域のニーズを維持するには、水資源を農業以外の用途に向けざるをえず、食糧は輸入に依存することになる。水問題は食糧問題に姿を変えてしまうのである。こうした問題に対処するには、技術供与などにより、不足地域における水の供給を25%以上増加させないといけない。

 このように、資源をめぐる争いは今度さまざまなかたちで激化が予想される。国としての日本は資源消費国として厳しい立場になるが、日本企業としては代替エネルギーや省エネなどの分野で(一過性ではない)ビジネスチャンスが広がる可能性がある。たとえば、(米国以外でも産出される)シェールガスの採掘設備関連(機械や部材など)、中国で今後急増が見込まれる石炭火力発電に対する低炭素化技術関連、新興国の工場向けの高効率な小型分散発電設備など、日本企業の強みが活きそうな分野はいくつも考えられる。全人類的な課題であるということは、市場規模も相当大きくなりうるということでもある。こうした分野に関連する技術を持つ日本企業にとっては、まさに成長戦略の柱になるのではないだろうか。

 

*第6回は2013年11月11日(月)公開です。

ブーズ・アンド・カンパニー
グローバルな経営コンサルティング会社として、世界のトップ企業及び諸機関に対し、経営レベルの課題を解決するコンサルティング・サービスを提供している。全世界57事務所に3,000人以上のスタッフを擁し、クライアント企業との実践的な取り組みを通じて、「本質的な競争優位」と「差別化された優れたケイパビリティ」の創出を支援することを使命とする。

 

【連載バックナンバー】
第1回「長期的ビジョンはなぜ必要なのか」
第2回「グローバル市場の変化を見通す」
第3回「グローバルな10のメガ・トレンド」
第4回「第1のメガ・トレンド 環境保護主義」