「需要サイド」の中で、とくに資源・エネルギー関係の長期予測というのも過去から多くあったが、それらの予測もほとんど外れてきた。それらの予測の多くは「このままいくと大変なことになるぞ」という社会問題を提起する目的であり、センセーショナルな結論を強調することで、政治家などの行動に影響を与えようとするものであった。結果的に社会的な問題意識が高まり、「大変なこと」は回避されたため、そうした予測の目的は(予測が外れたことによって)果たされたと言える。

 本連載では次回以降、10のメガ・トレンドの各々について詳しく紹介していくが、ここでのスタンスは危機感を過剰にあおるというものではない。世界が直面するであろう問題を「ビジネス・チャンス」だと捉えていこう、というものである。相対的には予測が可能な「需要サイド」の変化の方向性を見極め、それにうまく乗るような技術開発や事業戦略を企業の長期経営計画に盛り込んでいければ、グローバルに大きな需要を満たせるようになり、長期的な成長も可能になるはずである。

 現状改善型の小さな事業機会は、事業部ごとのボトムアップの計画に盛り込まれるはずである。一方、長期的な経営計画は、トップダウンで人類全体の抱える大きな問題を見渡し、自社のビジネスチャンスになりうる分野を見出して、ゆっくり大きく舵を切り始めることが必要となる。次回以降、そうしたヒントになるかもしれない情報を紹介していく。

*第4回は2013年10月28日(月)公開です。

ブーズ・アンド・カンパニー
グローバルな経営コンサルティング会社として、世界のトップ企業及び諸機関に対し、経営レベルの課題を解決するコンサルティング・サービスを提供している。全世界57事務所に3,000人以上のスタッフを擁し、クライアント企業との実践的な取り組みを通じて、「本質的な競争優位」と「差別化された優れたケイパビリティ」の創出を支援することを使命とする。

 

【連載バックナンバー】
第1回「長期的ビジョンはなぜ必要なのか」
第2回「グローバル市場の変化を見通す」