ステップ3:データを使って、個々の顧客とタスクをマッピングする

 各タスクとの関連度に応じて、顧客を区別する。ある顧客が果たそうとしているタスクは、エンタテインメント情報の検索が20%、スマートフォンへの自信を深めることが2%、連絡をとることが40%であるかもしれない。顧客プロファイルはそれらすべてのタスクをカバーする。そこからはシンプルなステップで、タスクの構成に応じて顧客をクラスタ分けすることが可能だ。顧客の「ありのまま」の行動や人口動態や態度をもとにするよりも、簡単である。セグメントによっては、重要性の高いタスクは3つか4つだけということもあるだろう。こうすれば、セグメント別に具体的なソリューションを開発できるようになる。

「達成すべきタスク」の枠組みを顧客セグメンテーションの基盤にすれば、顧客に正しく関連するすべてのデータを有意義かつ体系的に活用できるようになる。企業は、顧客が自身の生活において重要なタスクを解決するためにソリューションをどう「雇っているか」を理解できる。そして、タスクを達成する(時には、達成できない)時の顧客の行動を観察できる。消費者の活動について、ブランドはかつてないほど大量のデータにアクセスするようになっている。それらをより効率的かつ生産的に利用すれば、企業は幅広いパターンやトレンドを見つけ出し、データの背後にある顧客の真の姿や、その人の達成すべきタスクをうまく見抜けるようになる。

 また、顧客の利益に関連する別の要素もある。顧客はいまや、自分たちがブランド側と暗黙のうちに共有しているデータが、無意味なことに使われるのではなく自身のブランド体験を向上させるために使われることを期待している。

 ピーター・ドラッカーはかつてこう言った。「企業が売っていると考えているものを、顧客が買っていることは稀である」。問題は、個々の顧客の購買に至る全プロセスを追跡しない限り、顧客がどんなタスクを果たそうとしているかがわからないことである。

 ビッグデータによって今、そのプロセスを観察できるようになった。テクノロジーによる力を得た顧客は、より多くの選択肢を持ち、自前で解決する能力を持つ。このため、ビッグデータをもとにしたセグメンテーションはかつてなく重要になっている。それはマーケティングに関わるすべての人々にとって、新たな達成すべきタスクなのだ。


HBR.ORG原文:A New Framework for Customer Segmentation June 12, 2013

 

ジュディー・バイヤー(Judy Bayer)
テラデータ・インターナショナルの戦略アナリティクス担当ディレクター。

マリー・テイラード(Marie Taillard)
ESCPヨーロッパ・ビジネススクール(ロンドン校)教授。マーケティングを担当。同校のクリエイティビティー・マーケティング・センターのディレクターも務める。