行動データ×ソリューションによる統合型マーケティング・イノベーションの実現に向けて

 テクノロジーの絶え間ない進化により、1人ひとりの膨大な行動履歴が、さらに膨大に、さらに細かい粒度で、しかもリアルタイムにデータ化される世界の出現により、刻々と態度や行動を変える生活者に寄り添い、日々のマーケティングに直結させるソリューションの重要性が高まっています。

 最近では、日本でもデータマネジメントプラットフォーム(DMP)の活用が実践フェーズに入っています。DMPでは企業が自社で保有するデータと外部事業者が保有するデータを統合して分析することで、顧客に対する理解を深化させるだけでなく、その結果をもとに見込顧客セグメントごとに直接的に広告やメールなどでアプローチすることが可能になっています。その際に、コンバージェンスパネルなどのデータや知見もあわせて繋げていくことで、オフライン×オンラインあるいは行動×態度変容状況といった統合型のクラスタリングに基づく見込顧客セグメントの各々に対して、最適なマーケティング施策を実施することも可能になってきています。

 また、マクロデータも活用したソリューションとしては、マスメディアなどによるマクロでのカテゴリー需要創造と、各個人のミクロでの商品需要の両方をリアルタイムに検知し、SEMの自動入札ロジックに反映させるという取り組みが行われています。このロジックを搭載したツールの活用により、最大40%程度のCPA改善が可能であることも明らかとなっています。

 このような統合型マーケティング・イノベーションを生み出していくために必要なこととしては、以下の3点のポイントがあると考えています。

①外的変数(天気・株価・広告統計など)やオフラインコンバージョンに関するデータベースを持ち合わせていること
②ノーム値(当該カテゴリー平均値)との比較ができること
③中間指標(KPI)やゴール指標(KGI)間の関係性に関して、多くの知見を有していること

 電通では、様々な業種での多種多様な統合PDCAやDMP運用の実施経験を生かしつつ、これらの条件を満たすことで、広告主の真のパートナーとして、ブランド経験の全体を俯瞰しながら個々の顧客を読むことに取り組み、統合的な顧客経験の設計とその実施の両方における課題解決にこれからも貢献していきたいと考えています。

 

電通BIM(ビジネス・インテリジェンス・モジュール)
電通BIMとは2012年4月に編成された社内組織。BIMのミッションは、『クライアントのマーケティング活動においてインテリジェンス・メソッドを駆使し、事業目標やキャンペーン目標の達成のためにパートナーとしてお手伝いすること』です。クライアント企業それぞれの課題・ニーズに対して、多様かつ高度なビジネス・インテリジェンス機能を核としながら、適切なモジュールとして各部門が連携し、クライアントのマーケティング活動を支援していく、そのようなソリューションの開発と実践に取り組んでいます。

 

【連載バックナンバー】
第1回「BIによるマーケティング進化」