コンバージェンスパネル行動データ×調査データによる、全体最適化の試み

 最近では、テレビ接触履歴とウェブアクセス履歴の両方が測定された実行動ログデータ(コンバージェンスパネル)の活用も増えています。それらを測定しているパネルに対して調査を実施することで、オンライン・オフラインのコンタクトポイントが態度変容や行動に及ぼす影響や、オフラインの購買に至る経路、あるいはブランドの効果などをより直接的に把握することが可能になります。

 たとえば、テレビ広告や店頭での情報に接触した生活者の中で、インターネット広告に接触した人とそうでない人を特定し、その後の興味関心や購入意向、さらには購買行動の差をみることで、インターネット広告のリフト効果(テレビ広告や店頭での情報接触との重複接触効果)を正確に定量化することができます。この方法を用いた分析によって、商材によっては、特定の態度変容や購買へのリフト効果は4倍近くにもなることが明らかとなっており、クロスメディアの効果を考慮した予算の再配分に役立っています。

 分析からは、さらに、オンライン上でのコミュニケーション活動に対する生活者の記憶に、テレビ広告が及ぼす影響の大きさが定量化されることもあります。たとえば、テレビ広告を認知している人においては、インターネット広告には接触していないのにインターネット広告を見たと回答する(誤認している)割合が、平均で約15ポイントも上昇することなどがデータで示されています。中間指標を用いた分析に潜むこのようなバイアスを正確に把握しておくことも、収集されたデータをマーケティングの意思決定の基盤として活用する上での重要なポイントであると考えています。

ミクロな行動データ×マクロデータの組み合わせの重要性

 コンバージェンスパネルデータを活用し、正確にクロスメディア効果測定を行い、全体の出稿の最適化を図る試みが行われるようになった現在においても、そのデータのみから、ブランドに関連する限りない情報とそのコンタクトポイントの影響の全てを把握することは困難です。電通では、テレビ番組やテレビ広告の統計データベース(マクロデータ)を活用して、テレビでの露出によりもたらされるカテゴリーやブランドの需要創造に関する分析を行い、マーケティング活動の個々の施策の改善にまで結びつけていますが、「テレビが担うカテゴリー需要創造の役割」といったマクロなメディア特性は、コンバージェンスパネルのような高解像度のミクロデータのみから把握するのは困難であり、電通ではミクロデータにマクロデータを紐付けて統合的に分析する最適化ソリューションを開発・提供しています。