1.自分に生じる感情のすべてを認め、受け入れる。
 どんな感情もしっかり噛みしめること。検閲は禁物だ。私たちが、1つの素朴な感情だけを抱くことはめったにない。たいていの場合、異なる感情がごたまぜになってやってくる。苦しみと喜び、楽しさと悲しみ、興奮と恐れ――。湧き上がった感情を評価せず、ただすべてを感じること。理性が感情を整理できない場合もあることを自覚しよう。感情に意味づけして心地よい気分を担保しようとするのをやめるのだ。

2.複雑な自我を持つ自分が全面的に信頼できるのは誰かを知り、その人を自分の支えにする。
 私たちは人生において、ありのままの自分をさらけ出せる相手を、少なくとも1人は必要とする。本来の自分を露わにしても批判したりせず、その人の意見があなたの人間性に奥行きを与えてくれるような相手だ。それは伴侶かパートナーかもしれないし、親友かもしれない。そういう人がいないなら、信頼を寄せるに足る誰かに対して、もっと自分をさらけ出してみるといい。そうすることに不安を覚えるなら、自分の感情をすべて肯定できるよう助けてくれるセラピストに頼ってみよう。繰り返すが、自分の感情を検閲しないこと。

3.自分の感情を他者と分かち合う前に、相手のことを考える。
 これはどんな時にも役立つが、複雑で対立する感情を抱いている時にとりわけ重要となる。そもそも、人々が置かれている状況はそれぞれ異なり、抱いている感情もさまざまだ。最近解雇されたという人は、ほぼ確実に、あなたがそのことに対してポジティブな感情を抱けば腹を立てるだろう。無理もないことだ。また、誰もが自分の感情をすべて受け入れる勇気を持つわけではない。多くの人は自分の感情を抑え込もうとする。そのため、あなたが自分の感情を肯定していることを激しく非難するだろう。相手の反応が読めない場合、何も言わないか、言葉を選ぶほうがいい。この場合には、言うべきことを検閲するのが適切であり、賢明でもある。

 これから子どもたちとセントラル・パークに出かけ、倒れた木々をじっくり眺め、嵐の猛威を見てくるつもりだ。子どもたちとともに被害を受けた人たちの苦しみに思いを寄せ、自分たちが最悪の事態を免れたことに感謝することになるだろう。世界の中で見れば自分たちは比較的恵まれており、暖かくて安全な家で身を守ることができた――このことを改めて認識させられるはずだ。そして雨の中、子どもたちと冗談を言いながら水たまりをザブザブと歩き、一緒に笑い声をあげ、学校が休みになったこの日を楽しむだろう。

 ブログにこんなことを書くのは、抵抗がある。私も批判されたくはない。

 しかし、もっと心配なことがある。特定の感情だけがよしとされれば、ほかの感情は抑圧され心の奥底に蓄積する。それらはやがて膨れ上がり、肯定すべき自我を打ちのめし、私たちを自滅させる。そんな世界に住みたくはない。

 だから私は自分の感情を認め、それを言葉にし、公表している。


HBR.ORG原文:Can You Admit What You're Feeling? October 30, 2012

 

ピーター・ブレグマン(Peter Bregman)
CEOおよびリーダーにアドバイスを行う戦略コンサルタント。最新刊は『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則』(日本経済新聞出版社)。