誤解3:インタラクションは多ければ多いほどよい。

 誤りである。顧客とのインタラクションと、その顧客が「クギづけになる」(心変わりせずに購入し、繰り返し購入し、他者にも勧める)可能性のあいだには相関関係は存在しない。それでも、ほとんどのマーケターは、インタラクションの回数と顧客内シェアのあいだには継続的な直線関係があるかのように行動する。だから、ウォール・ストリート・ジャーナル紙が最近報じたように、ニーマン・マーカスやランズエンド、トイザらスなど地位を確立した小売企業が、年間300通以上ものメールを顧客に送っているのである。

 現実には、マーケターが考えるよりもずっと早く、直線関係は平坦になる。役に立ったインタラクションも、すぐに顧客を圧倒する激流となるのだ。マーケターは気づかぬうちに、消費者がある分野で買い物をする際に情報爆撃を重ね、その結果、消費者の「クギづけ度」は増えることはなく、むしろ減っていく(消費者の認知的負荷に関する詳細は、本誌2013年10月号掲載の我々の論文の囲み記事「あふれ返る情報と選択肢」を参照のこと)。

 では、どのようにマーケティングを変えるべきだろうか。

 消費者からの注目を際限なく求めるのではなく、注目を勝ち取ったらそれを大切に扱おう。そして、新たなマーケティング活動を行う際には、次のシンプルな質問を自分に問いかけてみよう。「このキャンペーン/メール/マイクロサイト/紙の広告は、消費者がこの分野で買い物をする際の認知的負荷を減らすだろうか」。答えが「ノー」か「わからない」であれば、もう一度企画からやり直そう。顧客とのインタラクションに関しては、多ければよいということはない。

 

HBR.ORG原文:Three Myths about What Customers Want May 23, 2012

 

カレン・フリーマン(Karen Freeman)
コーポレート・エグゼクティブ・ボードのマネージング・ディレクター
パトリック・スペナー(Patrick Spenner)
コーポレート・エグゼクティブ・ボードのマネージング・ディレクター
アンナ・バード(Anna Bird)
コーポレート・エグゼクティブ・ボードのシニア・リサーチャー