営業利益では為替の影響が8割

 そこで、過去15四半期の日本セグメントの売上高と営業利益について、ドル円レート、ユーロ円レート、国内生産台数、国内販売台数との関係を調べることにする。観測数(標本の大きさ)がわずか15では、統計検定はムリだが、あまり期間を長く取ると、今度は、為替レートや国内生産台数、国内販売台数と売上高や営業利益との関係が変わってしまう。とくにリーマン・ショックの時期が大きな撹乱要因になりうる。そのあたりの兼ね合いで、今回は、15四半期分としてみた。

 調べてみると、日本セグメントの売上高も営業利益も、ドル円レートと国内生産台数で説明できるようである。最小二乗法でドル円レートと国内生産台数との関係を推計すると、売上高については、定数項がマイナス5003億130万円、ドル円レートの係数が1円あたり126億5980万円、国内生産台数の係数は千台あたり23億7610万円であった。営業利益については、定数項がマイナス1兆6481億2670万円、ドル円レートの係数は1円あたり129億6760万円、国内生産台数の係数は千台あたり5億7300万円である。つまり、日本セグメントは追加的に1台生産すると、売上げが237万6100円増加し、営業利益が57万3000円増加する。

 2014年3月期第1四半期についていえば、前年同期比でドル円レートが19円上がっているので、為替レートの日本セグメント売上高に対する効果は2405億3620万円、営業利益に与える効果は2463億8440万円と推計できる。四半期売上高増加額7537億4600万円(商品・製品売上高増加額6928億4700万円)と四半期営業利益増加額3102億4000万円に対して、それぞれ31.9パーセント(34.7パーセント)、79.4パーセントに相当する。つまり、為替の影響によるリアルな売上げ増は3割強、リアルな営業利益増は、8割近くあると推計できた。

 なお、トヨタ自動車の決算発表資料には、為替変動の営業利益に対する影響は、概算で2600億円と記載されている。どのように計算されているのかはわからないが、筆者のリアルな為替の影響の推計2463億8440万円と大きく違ってはいない。