高齢化社会を経営するアイデアは、いろいろ考えられる

「価値保障システム」はハードウェアの品質保証ではなく、使っている間は価値を感じ、満足していただくのが目的である。そのためのいろいろなサービスを提供するが、無料ではなく対価をいただくのでその商品の使用期間を通じた「生涯損益」ベースで儲かる仕組みができる。その間、常に満足していただけば、次の買い替えも同じブランドになる確率が高く、固定客になってもらえるだろう。新規の需要が望めない市場でのマーケティング・コストを抑える効果がある。また、高齢者はこのようなサービスを要求する度合いが高い。

「二か所居住システム」とは、ほとんど使わない別荘を持つことではなく、週日は慣れ親しんだ場所、週末は新しい場所での生活を可能にするシステムである。「3日、4日で暮らす1週間」であり、高齢者が3日フルに働き、4日休むことができる「高齢者雇用システム」や交通機関の「週末定期・高齢者大幅割引システム」、などが伴うことで可能になる。「移動は消費」であり、高齢者に消費させたいなら移動してもらうことが大事だ。

「マイグレーション・パス(Migration Path:移行経路)・システム」は外国人短期滞在者、特に今後増えるに違いない中国人訪問者をリピーターにするためのシステムである。最初は東京とディズニーランドのグループ・ツアーからスタートしたが、すでに一部は少人数の買い物旅行に移ってきている。その先にスキーやゴルフと温泉、病気の診断や治療、そして、日本に別荘を持ち、数週間から数か月滞在するというステップ・アップの道筋をシステムとしてデザインする。

 日本への外国人訪問客の半数は中国人になることを前提にした「観光システム」として組み立てるべきである。外国人旅行者の日本の印象は「人が親切な国」であり、高齢者がそれに貢献するような「高齢者雇用システム」を組み込めるはずだ。

「二次市場育成システム」は、一次市場(電気製品、車、家などの新品市場、株の発行市場など)中心の「成長」発想から、「拡大」発想への転換である。株や車では二次市場のほうがすでに大きい。株や中古車の総量が増えるのではなく、売買による回転数が増える。市場は「成長」するのではなく「拡大」するのである。「成長」も「拡大」も経済効果は同じだ。

 二次市場を支える諸々の付随サービスは多様であり、新しい事業機会も多い。車は販売後のメンテナンスサービス、事故修理、下取りした車の整備、中古車オークション、情報誌などのサービスの宝庫である。以前からあるネット・オークションに加えてインターネットを活用したサービス事業の工夫、そして、車の買い替えや保険、メンテナンスなどをすべて引き受け、最適のタイミングで売買することで、一生のうち車にかける支出と車選びにかかる時間を最小化するような個人向け車管理サービスなど、まだまだ事業の可能性がある。

 この二次市場として残されている大きなものが、中古住宅市場である。アメリカでは年間600万戸くらい売買されているが、個々人が自宅を高く売るため手入れするインセンティブにつながり、リフォーム市場も拡大する。街並みをきれいにするし、不動産市場は主婦の雇用市場でもある。家を買うことはコミュニティを選ぶことであり、そのコミュニティのことを隅から隅まで知っているのはそこに住む主婦である。