これら5つのプロジェクトの推進には既成概念にとらわれない、システム発想力と度胸のあるプロデューサー的人材の発掘が要になる。5つのプロジェクトは上下関係と再現性を重んじる既存の縦割り型官僚機構では扱えない。独立したプロフェショナルなプロデューサー組織を作り、多様な「良循環」を作りだすことを目指す。

 政府保証や外国の投資家を積極的に募ることで、政府の予算措置の必要性を最小限に抑える。プロジェクトごとの投資が2~3兆円程度で全体は10~15兆円程度の投資を想定し、乗数効果をいれて数十兆円規模の効果を期待する。銀行にとっても政府保証があればBIS規制上のリスク資産ではないので、余剰資金活用の融資は可能である。

 2~4兆円程度のエクイティが必要であるが、その出し手には外資も活用する。「先端市場である日本に外国人の活躍の場を提供する新しい『社会システム・デザイン』発想のプロジェクト」であることを外国投資家にアピールするのである。

(最終回に続く)

 

 

【連載バックナンバー】
第1回 「社会システム・デザイン」とは何か
第2回 社会システム・デザインは「身体知」であり「高度技能」である
第3回 悪循環は現象を見るのではなく「中核課題」を捉えよ
第4回 経験とボキャブラリーを駆使して良循環を創造する
第5回 良循環を駆動させるサブシステムを見つけ出す
第6回 問題だらけの医療システムを良循環に変えるには