あなたは、どんな嗜好を持っているのだろう? 次の8つの質問に、できるだけ率直に答えてみてほしい。どれもマネジメント上の主なパラドックを表す質問で、正解も不正解もない。マネジャーは、状況に応じてどちらか一方の選択を迫られる時がある。ここでは、もしも直感だけに頼って行動する場合に自分ならどうするかをお答えいただきたい。

1.何かを選択する際、他の人の意見やアイデアを取り入れ、ときには人に選択を任せることもあるか。それとも、自分だけで決定して他の人に指示を伝えるのか。

2.人が行う「仕事」と、仕事を行う「人」のどちらに注目するか。部下とは主に仕事内容だけを話し合うのか、それとも仲間として、一個人として接するか。

3.人材の育成にあたり、改善点を指摘して建設的に批判する方法をとるか。それとも、良い点を褒めて伸ばすのか。改善の方法を、部下自身に考えさせるのか、それとも緊密に連携し指導するのか。

4.直属の部下たちと、1対1で接するのを好むか、それともチームとして接するのがよいか。チーム内で問題が生じた時、全員を集めてチームとして問題を解決するか。それとも、1人ずつ順に接触して問題に対処するか。

5.目の前の課題に注力するのを好むか、それとも将来どうなるかについて考えるほうか。

6.日々の業務遂行を重視し、執行に注力するほうか。それとも、新たな製品・サービスや方法を生むイノベーションに注力したいか。

7.直属の部下や直轄グループと仕事をすることを好むか。それとも、組織横断的にさまざまな人たちと仕事をするのを好むか。

8.難しい選択を迫られた時、その結果が誰かに与えるかもしれない痛みを気にするか。それとも、たとえ一部に痛みを強いたとしても、それ以上のメリットに注目するか。

「協議」対「命令」、「仕事」対「人」、「批判」対「称賛」、「個人」対「チーム」、「現在」対「未来」、「執行」対「革新」、「直属の部下」対「組織全体」、「痛み」対「メリット」――これらは、上司が日々直面する最も根本的な選択である。自分の嗜好を把握していない場合、最善の選択を下せる可能性は大幅に低くなる。常に直観にばかり頼っていては、優れた上司にはなれないのだ。


HBR.ORG原文:To Be a Better Boss, Know Your Default Settings February 3, 2011

 

リンダ・A・ヒル(Linda A. Hill)
ハーバード・ビジネススクールのウォーレス・ブレット・ドナム記念講座教授。経営管理論を担当。主な著書にBeing the Boss: The 3 Imperatives for Becoming a Great Leader(邦訳『ハーバード流ボス養成講座 優れたリーダーの3要素』日本経済新聞出版社)がある。

ケント・ラインバック(Kent Lineback)
著述家。リンダ・ヒルとの共著Being the Boss: The 3 Imperatives for Becoming a Great Leader(邦訳『ハーバード流ボス養成講座 優れたリーダーの3要素』日本経済新聞出版社)がある。