外部非営利組織からの資源獲得

 自社の製品や事業プロセスの社会性ゆえに、特に外部の非営利組織から追加的資源を獲得できることがある。活動資金(補助金)やノウハウの供与、製品の買い上げによる収益機会などが代表的なものである。

 例えば、味の素のガーナプロジェクト(栄養強化離乳食の製造販売)は、JICA(国際協力機構)やUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)から資金を獲得し、同国保健省と国立ガーナ大学の支援というエンドースメント(お墨付きという無形資産)も得て、実証実験ではCare International、GAIN、Planという大型NGOの協力を得ている。これは同事業が栄養不良と貧困という二つの開発課題解決に資するという社会性を有していることを同社が十分に自覚し、積極的にUSAIDを訪問したり、これらNGOに継続的にコンタクトした結果得られたものである(味の素・取出恭彦氏談)。

 また、米国資本のソーラーランタンメーカーであるディーライトデザイン社は、非電化地域のQOL(Quality of Life)向上を創業理念としているが、タンザニアでの拡販活動において、当初は他の非営利組織には一切頼らない販売戦略を貫いていた。ところが現実には販売計画が未達になる経験から学習し、現地事情に通じたNPOとの連携を模索した。

 その際に役立ったのは、同社製品が子供たちの夜間の学習時間拡大や農作業の効率を高めることにより、初等教育の欠如と貧困という二つの開発課題の解決に資するという特徴(社会性)であった。この社会性ゆえに、同社はソーラーエイド(学校に太陽光パネルを無償設置する英国系NPO)のタンザニア支部から協力を得、地元小学校のネットワークという新しい販売チャネルを獲得し、その後は以前の独自路線にこだわった時期を上回る売上を挙げている(ソーラーエイドタンザニア支部長、元ディーライトデザイン・タンザニア事業COO・マルコム・ウィグモア氏談)。