成功する起業家「8つの基準」

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●展望と再起力:ビジネスを築いていく過程で必ず直面する障害から、立ち直ることができそうか。

 政府の統計によると、新規事業の50%以上が設立後5年以内に破綻している。しかし我々の経験では、新規起業家の100%が常に部分的な破綻に直面している。その問題がすぐに事業停止を招くものでなくとも、挫折から再起する力はきわめて重要となる。マーキスにとって、今回の事業は起業家としての初の試みであった。しかし、成績優秀ではなかった高校時代の彼がスミス大学の大学院を修了するまでの過程は、障害を乗り越える気概と不屈の精神を物語っていた。

●参入の方法とリーダーシップ:ターゲットとする分野に革新的な方法で参入し、周囲の人々を魅了して行動を喚起できるか。

 すべてのリーダーは、顧客とステークホルダーに対して信憑性と妥当性を示さなくてはならない。マーキスは、生まれ故郷のロサンゼルスとはだいぶ異なる土地柄のマサチューセッツ州で事業を立ち上げた。この閉鎖的な業界と地域社会においても、彼の信頼のおける人柄とオープンな態度は受け入れられている。

●経営資源を引き付ける力:資金、人材、その他の経営資源を大義の下に集めることができるか。

 我々は、カリスマ性よりも「経営資源を引き付ける力」のほうが重要であることを学んできた。起業家にとって、輝くような笑顔よりも(マーキスの笑顔もまさにそうなのだが)、周囲の人々をしなやかに説得し、彼らの時間、才能、そして資産を自発的に提供してもらう能力のほうがはるかに重要だ。どういうわけかマーキスには、ほんのわずかなコネクションをたどって多忙だが影響力のあるリーダー的人物と面会を取り付け、出資の約束やさらなる紹介を得る、という能力が備わっている。

 もちろん、起業家としての人的資質にどれほど恵まれたリーダーでも、優れたアイデアは必要である。我々はビジネスコンセプトを評価する際に、次の4つの基準に注目している。

●革新性:その方法の前例はあるか。

 スポーツを通じて低所得層のティーンエイジャーを支援する組織は何百と存在する。しかしその多くが、スポーツでの成功を職業上の成功と結び付けようとせず、若者の失望を招いている。マーキスは、これを実現する方法を見つけた。コーチング・フォー・チェンジでは、スポーツ教室、夏期スポーツ合宿、そしてコーチングに関連したビジネスを独自に立ち上げるよう若者たちに呼びかけている。これによって彼らは規律や集中力だけでなく、実践的なビジネススキルも身に付けられる。

今月のDIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー