会社の数が増えることが大事

――松山さんは今後もアーリーステージ中心に投資をされるのですか。

松山:最も効率よく収益を上げようと思えば、IPO直前の段階で、証券会社も監査法人もついたタイミングで投資するのがいいんだと思います(笑)。

――それでもアーリーステージで投資されるのはなぜですか?

松山:メザニン投資をしたくても規模的にできないというのもありますね(笑)。それと、当時は日本にアーリーステージの投資家がほとんどいなかったというのもありますね。あとやっぱり基本的に会社の数が増えないといけないなと思いますね。会社の数をふやしていきたいんですね。

 アメリカでも結局、VCはある程度のステージじゃないと投資をしなくて、本当に初期に投資をしているのはエンジェルなんですね。スタッフが数十人いて事業が回るレベルになって初めてアメリカのVCもお金を入れ出すんです。アマゾンもグーグルも最初の段階では個人のエンジェルが支えていました。そこは日本もアメリカもあまり違わないと思います。

 ただセコイアのマイク・モリッツの凄かったところは、初期のヤフーに投資したことですね。あの段階のヤフーにVCとして入るのは相当度胸がないとできないですね。あとあの段階のシスコに入ったドン・バレンタインですね。相当なリスクをとって出資しています。だからもの凄く尊敬されているわけです。

 グーグルなどは、ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンがまだ学生時代に会社も作っていない段階で最初にリスクをとったのはサンマイクロシステムズを創業したアンディ・ベクトルシャイムですから。彼が10万ドルの小切手をふたりに渡したのが最初でした。

——日本はVCの数も質もまだまだアメリカと比べものにならないですね。

松山:はい。日本はそもそもエンジェルの数が少なかった。そこをなんとか埋めようという思いはありました。最初の数百万があれば数千万、億単位の投資につながるという段階の企業が続けられるように、最初に投資する投資家になろうという意識はありました。自分がリスクをとって投資したいんですね。

 厳密に言うとリスクを取るのは出資者で、僕はお金も出していますが、ファンドマネジャーです。だから、投資した投資家にも起業家にも喜んでもらいたいと思って仕事をしています。

 アーリーステージにちゃんとお金が投資してちゃんとリターンを上げることができれば、自然と投資が受けられる循環が回るようになるんですね。こういう循環ができれば、日本にもベンチャー企業が生まれやすい流れができると思っています。