ステップ3: 優先事項のみを実行する

 休暇を終え仕事に復帰した朝(もしくは丸1日)は、溜まっている作業や予定を遮断するのもよいだろう。そして焦らずに、やるべきことに集中する。これは最も戦略的な方法だ。

 すべてを片付けてしまいたい、という衝動に抗うのは難しいかもしれない。しかし、5大テーマに合致しないことであれば、誰かほかの適任者に回すか、丁重に断るか、可能であれば無視する。これはビジネスでもプライベートでも同様だ(バナナ・リパブリックから40%オフのセールの知らせが届いたとして、そのサイトをチェックする必要は本当にあるだろうか)。

 仕事に復帰した初日には、「休暇明けの新しい自分」が確立される。その自分を、新たなスケジュールに反映させよう。ステップ1の「最高の自分でいられるリスト」を見て、その自分を職場に連れ戻すのだ。同僚とのランチに1時間を割いてもいい。午前中と午後に10分の散歩をして、思考をさまよわせるのもいいだろう。誰かの話にじっくりと耳を傾けるのもよい。初日にスケジュールを詰め込みすぎなければ、こうしたことをやる時間的余裕ができるのだ。

 これは、休暇明けの初日に限らず、毎日の習慣としてもかまわない。毎朝、「最高の自分でいられるリスト」を見て、その自分を砂州から職場に連れていくのだ。そして、「今年最も集中したいテーマ」に沿って仕事のプロセスを組み立てる。やるべきこと、やらないことを戦略的に選別して1日のスケジュールを立てれば、最高の自分でいられる時間が持てるだろう。

 エリナーと私が砂州に近づくと、イザベルは「見て!」と叫んで何かを指さしている。そこには彼女が集めた数匹のヤドカリが、砂を集めてつくった島に配置されている。私たち5人はしばらくそこにたたずみ、海水が砂を浸食してヤドカリをさらっていくのを眺めていた。

 その時、休暇終了のショックを和らげるもう1つの方法を思い出した――次の休暇の予定を決めることだ。


HBR.ORG原文:The Right Way to Come Back From Vacation September 6, 2011

ピーター・ブレグマン(Peter Bregman)
CEOおよびリーダーにアドバイスを行う戦略コンサルタント。最新刊は『最高の人生と仕事をつかむ18分の法則』(日本経済新聞出版社)。