だとすれば、MBAの持つ意味は、CEOの年齢によって異なるのだろうか。ひとつの仮説はこうだ。MBAがいまほど陳腐化していなかった時代――そしてビジネス教育がジェネラリストの育成を目指し、科学というよりも教養だった時代――には、CEOはMBAの取得によって優位に立てたのかもしれない。つまり、MBAの価値は時代とともに低下したという見方だ。これに対して、MBAの価値は時代とともに高まっている、というのが第二の仮説だ。つまり、ビジネススクールへ駆け込む何万人もの学生は、市場のシグナルを正しく理解しているということだ。あなたは、どちらの説が正しいと思われるだろうか。

 年齢に注目してみよう。CEO就任時の年齢の中央値は52歳だった。50歳未満で就任した人たちについては、MBAを持つCEOの順位が高かった――年齢が現在50歳以下の集団に限ってみれば、MBAホルダーはさらに有利だった(ランキングでも40~100位上に位置していた)。つまりこの「若年層」においては、MBAを持つCEOは持たないCEOよりもパフォーマンスが高い傾向が見られた。

 さらに、CEOに就任した年にも着目した。2000年以降にCEOに就任した人たちと、1999年以前に就任した人たちの順位を調べたところ、MBAの優位性は後者のほうに見られた(40位から108位高かった)。つまり、1999年までにCEOに就任した場合は、MBAを持つCEOは持たないCEOよりもパフォーマンスが高い傾向が見られた。

 したがって、若くして(就任時に50歳未満)、しかも1999年までにCEOに就任したのなら、MBAの学位から多くを得たことになる。

 50歳以降にCEOになったのであれば、就任した年が1999年までであればMBAの恩恵があるが、2000年以降では見られない。

 この年齢と時期の影響は、重要な問いを投げかける。向上心あふれるリーダーにとって、MBAの価値は低下しているのだろうか。それとも2010年代に入り、ビジネスの世界がますますグローバル化し不安定になっている昨今、その価値はさらに高まっているのだろうか。


HBR.ORG原文:Does an MBA Make You a Better CEO? January 20, 2010