1. ブランドは、月並みな30秒の放送用CMではなく、「物語世界」を構築するようになる。

 エンゲージメント、探究、共有――これらを生みたいブランドは、複数のプラットフォームをまたぐコンテンツをつくる必要がある。これは映像化されたストーリーに始まり、インタラクティブな体験へとつながり、最終的には現実世界での実体験に結実するものだろう。これには、(30秒だけ現れ、やがて忘れ去られるものではなく)活き活きとしたキャラクター、次々に展開していく物語、そして消費者自身が参加できる現実の場所が必要になる。スターライト・ランナー・エンタテインメントのジェフ・ゴメズは、コカ・コーラやマテルなどの企業のために「物語世界」を構築する先駆者だ。彼の仕事の対価は数百万ドルにのぼるが、クライアントに多大なリターンをもたらしている。製品のストーリーに込められた魔法を消費者が直感し、参加を強く求めるようなキャンペーンに発展するからだ。彼の広告キャンペーンは、ブランドが望む方向にストーリーを拡大するための手段となる。

    

2. 一般の人々が語り部となっていく。

 最近、一般の人々による(クラウドソーシングによる)ストーリーの発信がさかんに論じられているが、実際の成功例はまだ非常に少ない。我々のブランドについて語ってください、と消費者にただ頼むだけでは、うまくいかないのだ。ブランドマネジャーは、まず先述の「物語世界」を設定してから、ストーリーの発信(少なくともその一部)を消費者に担ってもらうべきである。ブランド側は、人々が語るべきストーリーを定義する必要があるということだ。この点で大きな成功を収めているのが、スーパーボウルで展開されるドリトスの広告だ。一連のキャンペーンはドリトスの世界観と規範を効果的に設定し、ブランド・コミュニティで生まれたクリエイティブな作品を、世界最大の舞台で称えるという約束を果たしてきた(注:ドリトスはスーパーボウルの開催に合わせ、一般の消費者から自主製作のCMを募集する。2013年には、約3500の応募作から選ばれた5作品に25000ドルの賞金が与えられた。うち2本の最優秀作はスーパーボウルで実際に放映された)。その結果、ドリトスはこの数年間のスーパーボウルで最も人気のあるスポット広告の常連であり、ブランド・コミュニティの発展と良い評判の伝播を実現している。ブランドマネジャーは、広告キャンペーンのアウトプットではなくプロセスを管理する方法を学ぶべきである。