以上のようなオプションを実行する場合、あなたの会社が顧客から支持や高評価を得る理由となっている長所を損なわないように、注意する必要があります。たとえば、良質なサービスで定評がある会社は、サービスの質を落として差別化や選好の要素を失うようなリスクを決して冒してはいけません。重要なのは、顧客の新しい問題を理解し、どうすればその解決を手助けできるかを考えることです。考えられるソリューションについて、顧客をコーチングするのです。

 現在の不景気に対処する方法はいくつかあります。しかし、次の不況に備えるにはどうすればいいのでしょうか。どの企業も不況だけでなく、テクノロジーの変化やグローバル規模での新たな競合の出現などがもたらす混乱の影響を受けます。そこで問題となるのは、企業が今後の混乱をうまく予測するにはどうすればいいのか、ということです。そのような脅威の手掛かりを見つけるために、環境をうまく観察できている企業は多くありません。変化の微弱な信号を察知する、早期警報システムのようなものがないからです。そのようなシステムがあれば、世間知らずの企業が経験するような不意打ちや混乱を大幅に低減することができるでしょう。

 そしてさらに、企業は兆候が現れる前に新たな変化の可能性を想像する必要があります。たとえば、ゼネラル・モーターズであれば次のように自問してみるのです。「我々は、1回の充電で90マイル走れる新型のバッテリーをつくろうとしている。しかし、もし中国企業が200マイル走れるバッテリーを開発したら、どうするか」。企業は新しい脅威を想像しておかなければなりません。

 ビジネス環境は現在、一時的ではなく持続的な波乱にさらされています。もう平常に戻ることはありません。テクノロジーの進歩とグローバリゼーションという2つの大きな力がもたらす混乱こそが、「新しい平常」といえるでしょう。すべてはリスクと脆弱性の増大を意味します。

 すべての変化には、両面性があります。変化は機会と脆弱性の両方をもたらすのです。成功する企業は、脆弱性よりも機会に着目します。あなたの会社が問題を抱えているのなら、それは競合他社も同じです。十分な資金があれば、他社に真似できないような価格の引き下げやサービスの向上を実施することができます。そうすれば結果的に競合他社を買収したり、撤退に追い込むことも可能です。

 顧客、サプライヤー、流通・販売のすべてがダメージを受けています。彼らをどうすれば助けられるかを考えましょう。新しいビジネスモデル、新しい製品やサービス、低コストの販路、低コストのサプライチェーンを開発することも検討しましょう。ただシナリオに従うのではなく、より逆境に強く、回復力に優れ、状況の変化にうまく対応できる会社になりましょう。

ゴールドスミス
 ありがとうございました。読者の皆さん、高まる混乱への対処法について、詳細はwww.chaoticsstrategy.comを参照してください。今日のような不況期に利益を上げる方法についてコメントをお寄せください。


HBR.ORG原文:Making Money in Chaotic Times June 1, 2009