そこでお勧めしたいのが、次の方法だ。幹部は、自部門に関するパワーポイント――入念に作製され、見やすく、そして退屈な資料――を使ってのプレゼンをやめる。代わりに、他部門についての、形式張らない話し合いを主導するのだ。重要な指摘をまとめ、結論を導き、責任者とスケジュールを明確にした行動計画をつくり合意を取る――こうした作業には、フリップチャートを使う。

 各幹部は事前に、タテ割りを超越して他部門の課題を探しておく。営業部のトップは製造に関する課題を、業務部のトップはマーケティングの課題を、という具合だ。それらの課題について調査し、会議に向けてアイデアやソリューションをいくつか用意しておく。

 これによって幹部たちは、タテ割り組織の弊害を打破することができる。そして会社への責任感を共有し、自部門に対する自信過剰や守りの姿勢を避けることにもつながる。つまり、より率直な会議となるのだ。

 会議を終える前に1~2時間を割いて、合意に達した決定事項を全社にどう発信するかを決めておこう。いつも驚かされるのだが、何をどう通達すべきかを具体的に決める段階になると、一貫性の欠如や見解の相違がしばしば見られるからだ。

 会議の成果を高める方法は、ほかにも多くあるだろう。しかし「パワーポイント無し」のルールには、最大の効果がある。「共に問題を解決する」という本来の目的に、エネルギーが注がれるからだ。

 私は会議を運営する時、いつも少しナーバスになる。なぜなら、会議がうまくいけばいくほど、予測不可能な展開になるからだ。その場にいる人たちが協力し合わなければ決して生まれなかったような、アイデアや洞察、ソリューションがもたらされる。いつ論争が勃発するかわからない。しかし同時に、会議における不確定要素は刺激的で貴重なものだ。

 先週私は、ある大手テクノロジー企業のCEOと経営幹部が集う2日間の戦略会議を取り仕切っていた。この会社は、急激な成長がもたらす喫緊の問題を抱えていた。各幹部は、同僚が率いる事業の課題について対話を導いた。そして話し合いの締めくくりとして、責任者とスケジュールを明確にした行動計画が、合意に基づいて確立された。プロジェクターの雑音はなしにである。

 終盤の2時間を使って、決定事項を組織全体に通達する方法について話し合った。会議の終わりに、CFOが――彼は会議に時間を費やすことを非常に嫌う人なのだが――私に振り向いて、こう言った。「この2日間、とても有意義な時間の使い方でしたね」

 彼からその言葉を聞くとは――。これは日記に書いておこう。


HBR.ORG原文:The #1 Killer of Meetings (And What You Can Do About It) April 14, 2011