人を元気づけ、学習を促し、失敗の再発を防いでもらおうと考えるのは、悪いことではない。チームや組織を守りたいのは当然だ。

 しかし、失敗からの学習(将来の失敗を避ける手段)は、失敗後の挫折感や罪悪感から解放され前向きな感情を持たない限り、成し得ない。その前向きな感情は、共感によってもたらされるのだ。

 幸いなことに、共感を表現する方法はそれほど複雑ではない。誰かが失敗や過ちを犯したら、その人の言い分にじっと耳を傾けるのだ。話の腰を折ったり、アドバイスをしたり、大丈夫だと慰めたりしないこと。場に沈黙が生まれるのを恐れず、ただ聞くのだ。

 そして、少し時間を置いた後、相手の言葉をあなたの表現で繰り返し、相手の気持ちを代弁する。それだけだ。

 先ほど私は「複雑ではない」と述べたが、「難しくない」という意味ではない。相手の言葉にただ耳を傾け、繰り返すだけというのは、実際は難しいものだ。アドバイスや解決策を与えないでいることは、簡単ではないだろう。しかし、やってみるだけの価値はある。

 デナは、その後しばらくして階段から立ち上がった。そして皆と夕食を共にしてから、テレビを見に行った。

 私たちがリビングで話していると、デナが「おやすみ」を言いに来てくれた。

「気分はどう?」と私が尋ねると、彼女は肩をすくめて言った。「まあ、大丈夫。まだ、ちょっとへこんでるけど」

 心配ない、きっとうまくいく、朝になれば気分はよくなってるはずだ、また次の大会がある、練習時間はたくさんある――そうした言葉が、あやうく口をついて出そうになった。しかし私はなんとかこらえた。

「うん、わかるよ。へこんだよね」

※名前や詳細は変更している。


HBR.ORG原文:The Right Way to Respond to Failure March 10, 2011