ウォルマートはすでに、アーススターの開発者であるグレッグ・ノリスと協力し、先に述べた7つの自社ブランド製品を対象に試験的な分析を実施している。

 アーススターの目標は、業界ごとのサステナビリティ評価基準を定めるための、オープンソースの情報共有空間を構築することだ。企業がアーススターを利用すれば、自社製品を業界標準と比較したり、自社製品がもたらす最も大きな負荷を診断したりできるようになる。そしてサステナビリティの向上に最も効果を上げる研究開発プロセスやサプライヤーを特定することが可能となる。

 サステナビリティ・リスクの低減は、長期的な収益性や成長に影響を及ぼす可能性があることから、取り組みを義務化する企業の数はますます増えている。サステナブル・インベストメント・リサーチ・アナリスト・ネットワーク(SIRAN)が2009年7月に行った報告によれば、米国の大手株式公開企業100社のうち86社の年次報告書にサステナビリティに関する計画が盛り込まれており、34社が具体的な目標を設定している。

 こうした動きに投資家たちも注目している。

「気候変動リスクに関する投資家ネットワーク」(Investor Network on Climate Risk)は、資産運用総額60兆ドルを超す80以上の機関投資家で構成されている(ブラックロックやカリフォルニア州職員退職年金基金〈CalPERS〉などを含む)。ここに参加している投資家たちにとって、気候変動の問題はこれまで最大の関心事だったが、最近では労働者の待遇など、社会的なサステナビリティの問題にも関心が集まるようになった。エコの透明性に関する新たな評価システムがオンライン化されるにつれ、サステナビリティ・リスクに対する彼らの関心はより広範なものになるだろう。

 投資家は、評判をめぐる争いに敗れる可能性が高い企業を支援するというリスクを最小限に抑えることができる。ピープル・フォー・アースのトゥレイは述べている。「これまで存在しなかったものを、我々はつくろうとしています。気候への影響を製品レベルで測定する、信頼できる指標です」

 アーススターやグッドガイドのようなライフサイクル・アセスメントのシステムが収集し、定量化しようとしている情報もまさにそれであると彼は言い、こう付け加えた。「投資家は企業にエコの透明性を要求すべきなのです」


HBR.ORG原文:Why Investors Should Consider Sustainability Risk Management October 26, 2009