製品の環境負荷が消費者に公開されれば、勝者と敗者がおのずと決まることになる。店頭での情報表示は、ネット上のシステムよりはるかに効果的だろう。このような店頭比較は心理学用語でいう「対比効果」を生む土壌になる可能性もある。つまり、自分の子どもが使う玩具に鉛などの有害物質が含まれているとわかると嫌悪感が誘発され、有害物質を含まない玩具が格段に素晴らしく思えるということだ。

 投資家ならば、ブランド選好基準のこうした変化がいかに急速に広がり、ブランドの勝敗を分けることになるか予想できるはずだ。

「消費者がこれまで製品の環境負荷を見抜けなかったように、投資家もこの問題に関するリスクになかなか気づきませんでした」――非営利組織ピープル・フォー・アースのディレクター、マーク・トゥレイはこう述べている。

 彼のグループはサステナビリティに関連するリスクと機会を評価する、投資家向けの国際標準の確立を目指している。評価項目として、製品の健全性と安全性、労働慣行、業務が環境と生物学的多様性に及ぼす影響、温室効果ガスの排出量などが設定されている。

 評判リスクへの取り組み方は、企業によって実にさまざまである。ウォルマートのある経営幹部はこう述べている。「カーボン・フットプリント(二酸化炭素排出状況)のデータを我々が求めた時に、『カーボ……何ですか?』と応じてくるような企業の将来には不安を覚えます」

 現在の標準的な産業基盤や製造・業務プロセス、日常的に使用される化学物質は、それらが生態系にもたらす危険性に企業や消費者が気づく以前の時代につくられたものだ。このことが多くの企業にとってジレンマとなっている。

 評判リスクに対処するには新しいマインドセットが必要である。ある製紙会社の例を考えてみよう。同社の工場では、塩素の使用量を減らし、高度な排水処理システムを導入し、代替エネルギーを使用するなど、優れた業務慣行を実践している。ところが、同社はいまだに原生林から木材を調達している。もし競合他社がもう原生林を利用していないとしたら、このような業務慣行によって後れを取ることになるだろう。

 投資家はこの新たなリスクによる影響を抑制するために、次のような取り組みを行う企業を優遇するだろう――製品の環境負荷を明らかにするためにライフサイクル・アセスメントを導入したり、その評価結果を業界平均と比較するベンチマーキングを実施したり、市場でのエコに関する評価を高める革新的なソリューションを模索したり、といったことである。

 現在開発が進行しているサプライチェーン管理ツール「アーススター」は、まさにそうした企業の取り組みを支援するために設計されたものだ。このシステムを利用すれば、企業が必要としている環境ソリューションを持つ新規サプライヤーを見つけることも可能になる。