プロセス・リエンジニアリング、1分間マネジャー、MBO、ゲリラマーケティング等々――次々と現れる多くのコンセプトは、単なる流行であり、いちいち囚われてはならないと否定するのは簡単だ。しかし、それらの「流行」はあなたの会社にとって、一時的には役に立つと考えてはどうだろう。実際によい成果が得られるかもしれない。偉大な成功とは、必ずしも永久に続くことを意味しない。

 必要なのは、すべてを解決するソリューションがあるなどと考えないことだ。何かを万能薬と考えてしまうと、人はその弱点や副作用に目をつむるようになる。やがて避けられない欠陥が明らかになると、その取り組みに対する信念を完全に失ってしまう。それがもたらした価値でさえ正当に評価しなくなる。期待に添えなかったからといって、それが完全に無効であったということにはならないのに。

 そしてまた、次なる特効薬を探し始める。私たちは、すべての問題を解決してくれるソリューションや方程式、不安を解消してくれる万能薬を求める強い欲求がある。しかしそれは間違っているのだ。

 なぜなら、完璧なものや永遠に続くものなどないからだ。したがって、あらゆるソリューションを一時的なものとして捉え、あらゆるツールを潜在的には価値があるが長くはもたないものと考えておくほうがよい。これは個人にも組織にも等しくいえる。新たな食習慣、新たなマネジメント・ツール、新たな組織構成、新たな多様性の取り組みなど、どれも同様である。

 すべてのソリューションを一時的なものと考えることは、次のような効果をもたらすだろう。

●気を楽にして取り組める。どうせ完璧でも永続的でもないのだとわかっていれば、試しにやってみようという気が起きやすいだろう。

●導入が容易かつ迅速になる。取り組みは永遠に続くわけではないのだから、効果さえあれば完璧を目指さなくてもいい。

●他者を巻き込みやすくなる。ソリューションが不完全で未完成であると認識されれば、もっと良いものにしようと望む人々の参加が促され、彼らに当事者意識が生まれる。

●出費が容易になる。完璧で永続的なものを目指すわけではないので、巨額の先行投資は必要ない。