2013年5月号
組織の歴史は変革リーダーの武器になる
未来は「過去からの学び」でつくられる
組織の歴史を顧みるのは、周年記念など祝祭行事の時だけかもしれないが、リーダーにとって歴史は有効なツールとなる。歴史をひも解き、教訓や普遍的な価値観、組織の真理などを見つけ出し人々に伝えることで、組織の一体感を醸成する、目的意識を植えつける、変革の必要性を訴求する、課題の克服に向けた精神的支柱とするなど、さまざまな使い方ができる。実際に、企業買収後に歴史をうまく用いて共通する価値観に目を向けさせることで、統合がスムーズに進んだ事例もある。その一方で、歴史は組織のビジョンや戦略、経営者や従業員の考え方に深く影響を及ぼすため、過去の意思決定が現状の問題解決の妨げとなる場合もある。その際にも、歴史を振り返り、そのようになった経緯を理解することで、変化すべき部分と変えてはいけない価値観が見極められる。リーダーは歴史の力をよく認識して、効果的に活用し、みずからの意思決定に役立てていかなければならない。
PDF論文:14ページ[約2,199KB]
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