ステップ1:重要目標を定義する。

 明確な目標は、資本を配分するうえでの指針となるため、ビジネスの成功にとって不可欠である。自由市場システムで活動する企業にとって、経済的価値の創造は理にかなった重要目標だ。ただし、企業寿命を最大限に延ばすといった、異なる目標を選択しても構わない。リテールバンクの例では、経済的価値の創造を目指していると仮定する。

ステップ2:目標達成を推進していると思われるドライバーを評価するため、因果関係を示す理論を構築する。

 一般に、価値創造を推進する財務上のドライバーとして、売上高、コスト、投資の3つが挙げられる。さらに具体的な財務上のドライバーは企業ごとに異なり、収益成長率、キャッシュフロー成長率、投下資本利益率などがある。

 当然のことながら、財務指標がすべての価値創造活動を網羅できるわけではない。そこで、顧客ロイヤルティ、顧客満足度、製品品質といった非財務指標を評価し、そうした指標が、最終的に価値をもたらす財務指標と直接関連性があるかどうかを見極めることが必要となる。先に述べた通り、こうした価値創造と財務・非財務指標との関連性は可変的であるため、ケースバイケースで評価しなければならない。

 リテールバンクの例では、顧客満足度が銀行サービスの利用を推進し、その利用こそが価値の主要ドライバーである、という理論をもとに始める。この理論は、非財務上のドライバーを財務上のドライバーと結びつけたものだ。そこで、この相関関係を統計的に測定し、理論が有効であることを確かめ、満足した顧客が実際にサービスの利用を増やし、その結果、価値創造指標である収益成長率や魅力的な総資産利益率を生み出すことができると結論づける。顧客満足度が、持続的かつ予測的に総資産利益に結びついていると判断した後は、どの従業員活動が顧客満足度を高めているかを見極める必要がある。

ステップ3:重要目標の達成に向けて従業員が取り組める、具体的な活動を特定する。

 ここでのゴールは、重要目標と、従業員がスキルを活用することでコントロール可能な指標を連動させることである。また、こうした活動と重要目標との関係には持続性があり、予測的でなければならない。

 前のステップにおいて、リテールバンクは、顧客満足度が価値を推進すると結論づけた(予測的)。そこで次に、顧客満足度を高める信頼性のあるドライバーを見つけ出す必要がある。統計的分析によると、ローン金利、ローン手続きのスピード、銀行窓口係の離職率が低いことは、すべて顧客満足度に影響を与える。こうした要因は、従業員や経営者がコントロールできる範囲にあることから、持続性のある要因である。たとえばこうした情報を利用して、ローン審査やローン承認のプロセスを迅速かつ効率的にすることが可能である。