損益面からいっても、親会社の日本郵政が1514億円の当期純利益、郵便事業が45億円の当期純損失、郵便局が188億円の当期純利益なのに対し、ゆうちょ銀行が3348億円、かんぽ生命保険が677億円の当期純利益を計上しており、グループ内の金融部門のプレゼンスがかなり大きいことがわかる。

縮小傾向・赤字体質の郵便事業

 日本郵政は、一般には郵便事業の会社だと考えられていると思う。政治的に郵政のユニバーサル・サービスが問題になるときの多くも、郵便局ネットワークをイメージしたものだろう。

 しかし、インターネット・電子メールの普及にともない、郵便物等の数量自体、減少しつつある。その他物流事業も、民間の宅配便業者との競争が激しく、基本的には右肩下がりである。2009年度には、郵便物等の数量は234億通(前年比2.3パーセント減)だったが、2010年度は228億通(2.6パーセント減)、2011年度には224億通(1.8パーセント減)と、おおよそ年率2パーセント程度減少し続けている。

 これにともない、郵便事業株式会社は、2010年度に1035億円の営業損失、354億円の当期純損失を計上した。2011年度には損失幅が減少したとはいえ、224億円の営業損失、45億円の当期純損失だった。これは、主に、2010年7月にゆうパックと事業統合したJPエクスプレスの影響である。ゆうパックと日本通運のペリカン便を事業統合して、規模の経済を追求するはずが、ゆうパックの移管について総務省の認可がなかなか下りなかったこともあり、巨額の累積損失を出したという。

 さらに、郵便事業株式会社はJPエクスプレスを事実上救済合併するかたちで元日本通運従業員も引き受ける。非正規雇用職員の雇い止め、ボーナス・カットなどのリストラ策によって、損失幅を圧縮してきているものの、郵便事業がかなりの苦境にあることが想像される。もっとも、今後は、郵便事業と郵便局の統合によって、郵便事業単体の業績がわからなくなる。