日本郵政の財務諸表の中身

 日本郵政株式会社の2012年3月期の比例縮尺財務諸表を書いてみよう(図2)。ここで、比例縮尺財務諸表というのは、金額に比例した面積を割り当てて財務諸表を視覚的に表現したものである。日本郵政は持株会社なので、当然に連結財務諸表である。

 一見してわかるとおり、これは実質的には金融機関の財務諸表である。大きな貸借対照表と、総資産のほんの数パーセントの小さな損益計算書というのは、金融機関や、UR都市機構のような賃貸不動産業の特徴であって、一般に、何かを「貸しているところ」の財務諸表は、こういう見かけになることが多い。そして、貸借対照表の資産の部のほとんどは「貸しているモノ」が占める。日本郵政の場合は、資産の部の最大項目は有価証券(実際には国債がほとんど)である。

 日本郵政の総資産292.1兆円というのは、実に巨大な数字である。三菱東京UFJ銀行を有する三菱UFJフィナンシャル・グループの2012年3月期の連結貸借対照表の総資産が218.9兆円だから、その約1.3倍に相当する。

 負債項目の中で目立つのは貯金174.4兆円であり、これがいわゆる「ゆうちょ」(郵便貯金)である。そして、その次に目立つのは、保険契約準備金88.7兆円であり、このうち85.1兆円は、かんぽ生命保険の責任準備金である。

 資産サイドからいっても、負債サイドからいっても、連結貸借対照表の中身は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の資産・負債が圧倒的である。純資産は、わずか10.9兆円で、総資産に対する純資産比率は4パーセントを切る。