そのために、クリティカル・シンキングがなにより必要だと思われている。相手を説得したり、論破するためには、与えられた情報を無批判に受け入れるのではなく、論点を批判的に精査し、論理の穴を見つけ、論理破綻をなくすためのスキルが大切だ。

 とはいえ、クリティカル・シンキングは、対人場面だけで使われるわけではない。ITからゲームまで、デジタル・コンテンツを支配するプログラミングの世界では、書かれたプログラムを批判的に精査し、バグを見つける作業が欠かせない。そこにもクリティカル・シンキングが必要である。

シンク・ディファレントの意味

 第3のラテラル・シンキング(水平思考)とは、「自由に連想し、既存枠組みから離れて考える力」だ。既存のパターンを変えるだけでなく、既存と全く異なるパターンを生み出す思考なのだ。

 ラテラル・シンキングは、創造性のもっとも創造的な側面である。ラテラル・シンキングを提唱したエドワード・デボノ博士によれば、ロジカル・シンキングやクリティカル・シンキングは、論理を縦方面に深く掘り下げていくような思考法である。一方の、ラテラル・シンキングとは、固まった考え方に対して横穴を掘り、ショートカットや抜け道を見つけるような柔軟な思考法を意味している。

 ラテラル・シンキングを訓練するためにデボノ博士が考案した方法は、6色シンキング・ハットと呼ばれる発想法である。6種類の思考タイプを示す6つの帽子をかぶって、グループで討議することで、思考の切り替えを行う発想法だ。6色のハットの色と思考法は図2のとおりである。