例えば、現場作業者から日々挙げられた問題が壁一面に貼られ、KJ法(注)などを使って問題が分類・整理され、この問題に対しては誰がいつまでにアクションを取るかが見える化されているケースなどを見ると、現場作業者が日々の業務の中で、しっかりとした問題意識を持って作業をしていることがわかります。

 このような企業では、個々の問題に対する解決アイデアはすぐに思いつかなくても、技術スタッフが現場の問題解決に対して適切に支援できる体制が構築されていて、発見された問題が本当に組織として解くべき重大な問題であれば、製造現場として何とかするという覚悟と、また何とかなるという経験に裏打ちされた信念を持っているように思えます。

 長期的に問題発見・解決能力を蓄積しつつ、工場独自の文化を形成し、企業の持続的競争優位を確立していくためには、いずれにしてもこのような発見型改善の要素が必要になります。消耗型改善だけでは、他社も同様の手法・技法を導入していること、また新しい問題を発見し粘り強く解決していく人材が育成されないという点で、長期的には他社との差別化に繋がらず、企業の持続的競争優位には繋がらないのです。

 次回は、この発見型改善の典型例として、3S(整理・清掃・整頓)について述べたいと思います。

 (注)KJ法:アイデアを引き出すための創造性開発の手法で、川喜田二郎氏の発想に基づき、問題解決の手法として開発されたもの。