2-1発見型改善とは

 これに対して、第2のアプローチは、発見型改善と名付けるアプローチで、主に改善活動の間接効果を長期間かけて狙っていくアプローチです。横軸に時間、縦軸に改善成果をとって、改善活動の軌跡を示せば、右下に凸のグラフが描けるアプローチです。改善活動が成功を収め、長期間継続している企業を見ると、過去いくつかの手法・技法は導入したものの、現在は特段新しい手法・技法を意識して導入している訳ではなく、改善活動が日常業務の一環となっていて、日々淡々と問題解決に取り組んでいるケースが見られます。

 このような改善活動の特徴は、特定の手法・技法を採用するのではなく、日常の仕事の中から解決すべき問題をその都度発見し、試行錯誤を通じてその問題を解決していく所にあります。効果が短期的に出やすいか否かではなく、現場の作業者がそれぞれ自分の困っている問題を発見し、時間をかけてじっくりと解決していくため、多くの場合、成果が出るまでには長期間を要します。特に活動の初期段階では、直接の成果に結びつきにくいため、活動の推進力が得られにくいとも言えます。そのため、このアプローチは、ある程度企業に時間的・経済的な余裕があって、トップマネジメントのコミットメントがないと、そもそも採用できないアプローチです。

2-2発見型改善の最大のメリット

 しかし、このアプローチの最大のメリットは、特定の手法・技法を採用するのではなく、日常の仕事の中から解決すべき問題を発見することに重きを置くので、改善のネタが尽きることがなく、長期間活動を継続しやすいという点です。いわば、目先の問題解決を通じた直接効果ではなく、問題の発見に重きを置いて活動を継続し、その過程で問題発見・問題解決のできる人材を、長期間かけて育成していくアプローチと言い換えても良いかもしれません。このアプローチを発見型改善と名付ける所以がここにあります。

 このような発見型改善を通じて蓄積されるものは、特定の手法・技法に特化した改善ノウハウ・解決手段ではなく、問題を発見する力、問題を問題として認識し続ける問題意識形成能力です。発見型改善の特徴は、文字通り、問題の解決よりも問題の発見に力点を置いている点にあります。問題を発見し続けなければ、改善活動は継続できませんから、ちょっと奇妙に聞こえるかもしれませんが、問題解決よりも問題発見の方が重要になるのです。