飛躍的なアイデアを生み出す

 飛躍的なアイデアは、テーマとは直接関係のないデータが活用されることによって生まれます。それを促進する簡単な方法が、メタファーやアナロジーを使って異なるカテゴリーからアイデアを借りてくるアプローチです。

 冒頭に、「家具や生活雑貨のように住宅設備を揃える」という顧客のゴールをご紹介しました。このゴールは文章内に「家具や生活雑貨のように」という喩えを含んでいます。そこで、アイデアを家具や生活雑貨のカテゴリーから借りてきて、例えば、家具のように自由にレイアウトが変更できる洗面化粧台、生活雑貨店で買える洗面化粧台、といったアイデアを考えることができます。

 異なるカテゴリーを活用するアプローチでは、先行しているカテゴリーを選び、それとの構造的な類似性を見いだすことによってアイデアを創出していきます。「家具や生活雑貨」を「アップル製品」「靴のネット通販」など、遠いカテゴリーに置き換えれば、より飛躍的なアイデアを得ることが可能になります。

 別のアプローチとして、テーマとは異なるカテゴリーのエキスパートを招き、アイデア創出のプロセスに参画してもらう方法もあります。例えば洗面化粧台のプロジェクトにクラウドコンピューティングのエキスパートや舞台の演出家、歴史学者などを招待してみてはどうでしょう。カテゴリーの異なるエキスパートは、従来とはまったく異なる切り口でテーマを捉えることで、飛躍的なアイデア創出をサポートしてくれます。

アイデア創出に分析的なプロセスを組み込む

 アイデア創出のステップは1回で終わらせるのではなく、繰り返しトライするのがよいでしょう。その際、1回目のアイデアやコンセプトをいかに活用するかがポイントになります。

 2回目のアイデア創出に入る前に、1回目の結果を眺め、評価で上位にきたコンセプト仮説の評価が高かった理由は何か、よく使われているアイデアグループのポイントは何か考えます。さらに、評価されなかったコンセプトや使われなかったアイデアにも注目してみます。それらはなぜ評価が低かったのか、どのようになれば評価が高くなるのか考えます。そうやって得たポイントをまとめるだけで、アイデア創出のクライテリアが出来上がります。

 また、1回目に出したアイデアグループやコンセプト仮説候補の偏りを、このコラムの第3回で紹介した二軸マトリックスの要領でビジュアル化してみましょう。その際に既存の製品やサービスもプロットし、1回目に出したアイデアと既存の製品やサービスを同じ象限に押し込んでしまうような軸を探します。

 アイデア創出に分析的なプロセスを組み込むことで、1回目のアイデアを踏み台に、より質の高いアイデアを目指していくことが可能になります。アイデア創出のステップを創造的なプロセスと分析的なプロセスの反復的なプロセスとして捉え、実践することによって、アイデア創出の能力は確実に鍛えられます。
 

 

1.フレームワークを使ってアイデアを強制発想する
2.遠いカテゴリーからアイデアを借りてくる
3.アイデア創出に分析的なプロセスを組み込む

あなたの組織の現状の製品・サービスではどのようなアイデアが顧客に提供されているか、以下の表にプロットしてみてください。その上で、空白の部分に対してどのようなアイデアが可能か、アナロジーとして使えそうな遠いカテゴリーをひとつ選び、アイデアを発想してみてください。