このように、職務の大きさは、期待されるアウトプットの大きさによって変わってくる。これを「アカンタビリティー」と呼ぶ。もちろん、より詳細には、そのアウトプットに対して直接的な責任を持っているのか、間接的な関与なのか、なども職務の大きさに影響を与える。

 一方、大きな予算達成責任を担っていなくても、例えば経営企画部長などは、多くの会社で役員クラスが担っており、直感的にも大きな職務と分かるだろう。これは、取り組む課題の領域や、課題の難易度・挑戦度が大きいためであるが、このような「課題解決」の幅と深さが、職務の大きさを測る2つめの指標となる。3つ目は、その職務に求められる「ノウハウ」である。このノウハウには、実戦的・専門的なノウハウや、マネジメントのノウハウ、あるいは対人関係のスキルが含まれる。

 このように、「アカンタビリティー」、「課題解決」、「ノウハウ」の3つの視点で職務の内容を分析することで、仕事のサイズを客観的に測ることが可能となる。そして、その際に、世界共通のモノサシ・ツールを使えば、その結果評価された職務のサイズは、世界共通に比較・活用可能なものとなるわけである。

 世界共通に職務のサイズを測れるようになると、企業間の報酬の比較も可能となる。A社の部長とB社の部長の給料を比較しても、それぞれの部長が同じくらいの職務でなければ、その比較は全く意味をなさないわけであるが、職務のサイズを元に給与を比較すれば、自社の給与が適正なのか、高いのか、安すぎるのか、比較が可能となる。例えば、ヘイグループでは、世界の1万6500社、1500万人の報酬データをデータベース化しているが、このような報酬データを活用して、合理的に各国の報酬制度を設計することが可能となる。

 また、職務のサイズを元に社員の序列づけ(等級)を定義すれば、グローバル共通の等級体系が出来上がる。グローバル共通の等級体系ができれば、例えば「ある等級以上の職務についている社員は本社で管理し、その配置や育成、後継者計画は、社長を含めたマネジメントの議論対象にする」とか、「ある等級の社員はグローバルの幹部トレーニングの対象にする」といった様に、人材マネジメントの様々な施策のベースとなる。