スマートフォンを利用したイノベーションは、ブランディングの面でも見られる。コカ・コーラとグーグルが行った「世界にコークを贈ろう」というキャンペーンが好例だろう。これは、たとえばニューヨークの人間がアプリを利用し、世界のどこかの自動販売機に向けてプレゼントを贈るもの。次にコーラを買いにきた人が無料でコーラが飲める。「楽しんでね」とメッセージを販売機に送信することも可能。また受け取った人は販売機のビデオで「こんなにおいしいコークは初めてだ」というお礼を返すこともできる。「これはモバイル上で、ハッピネスやシェアというコークのブランドを実践した例」とスペロ氏は言う。

タブレットが持つ潜在力を
発揮させる

 一方、タブレット・コンピュータもユーザーを増やしているが、タブレットにはスマートフォンにはない特性もある。その一つが、在宅時のエンタテインメントやショッピングのプラットフォームであるという点。これは、出先で使うスマートフォンとはまったく異なった文脈だ。

「タブレットは、ソファに座ったり寝転んだりして利用されることが多く、パーソナルな目的で使います。次の旅行のことを考えたり、今度買いたい車のことを考えたりする。ユーザーがタブレットに費やす時間や検索の量を考えると、タブレットへの戦略投資も大変重要です」

 ボルボは、タブレット・ユーザーのために広告離れした体験型コンテンツを制作した。300万マイル以上の走行記録を持つ実在のドライバーが登場し、彼のドライブをユーザーのGPS情報に連動した地図やビデオを織り混ぜながらドキュメンタリー風に仕上げたものだ。もちろん、ボルボ車に関する情報も十分に盛り込まれている。

 また紙のユーザー・マニュアルの代わりに、タブレットを用意する自動車メーカーも出てきた。「タブレットならばすぐに顧客とデジタルな関係を築いていくことができます」。

 タブレットがビジネスで潜在力を感じさせる例もある。ある大手デパート・チェーンでは店員にタブレットを持たせ、買い物に先立って顧客にコーディネーションを見せたり、気になったものを記録しておいたりできるようにする予定だ。

 顧客とのこれまでにはなかった新しい関係性。スマートフォンは、ビジネスのあらゆる面でそんな関係性を形づくろうとしているのだ。

提供:グーグル株式会社

PHOTOGRAPHY:Akiko Nabeshima
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