この「なんでも話し合える関係」の基礎となるクラスメート同士の信頼関係をつくり出すために、学校側も積極的に昼夜問わずさまざまなイベントやパーティ開いてくるわけだ。

 生徒たちもそれに応える。

 生徒はみな、さまざまな分野で活躍してきた実務家だけあって、なにか集団でことをなすために一番重要なことは、頭でっかちな理屈でも、論理でも、フレームワークでも、専門用語でも、格好いい外見でもなく、「人間同士の信頼関係」だとよくわかっていたのだ。

 特にグローバルな環境において、肌の色や眼の色が違うだけではなく、母国語も、考え方も、価値観のベースとなる社会通念も違う人たちが一緒になにかを創り出していくためには、意見を戦わせていくためには、せめて「信頼関係」が結べていなければまったく話にならない。お互いに「違う」のだから、その「違い」を受け入れるためには、基礎となる「信頼」が必要なのだ。

 それを心底判っているから、宴会に本気で取り組んでいた。

 宴会を通して真の信頼関係を作るために全力だった。

「たかが宴会」と馬鹿にされる方がいるかもしれない。

 あるいは、宴会の力、宴会によって達成できる可能性を軽視される方がいるかもしれない。「適当にこなせばそれでいい」と思う方が多いのかもしれない。しかし、「宴会」とはよくよく考えてみれば「ミニ・プロジェクト」だ。リーダーシップを始め、多くのビジネスの大切な要素は「宴会を仕切る力」に集約されている。また宴会によって新しい信頼関係が築けるものだ。信頼関係がなければ、何もできないのだ。その信頼関係を作るための有効なツールの一つが宴会なのだ。

 たとえば、あなたが日本で結婚式の幹事の二次会を頼まれた時、次の選択肢しかなかったら、どの出し物を選ぶだろうか。

(1)豪華賞品をかけたビンゴ
(2)チーム対抗で行うオリジナル問題のクイズ
(3)芸人を呼んできて10分間トークショー
(4)借り物競争