評価基準が共有されれば、日本でもリーダーシップの重要性が広まる

伊賀:だとすると、それはもしかすると、日本の人材育成の目標となりうるモデル評価基準にできる可能性がありますね。現在、経産省が「社会人基礎力」という概念を提唱し、日本に必要な人材像を描いています。ところがこの中には「リーダーシップ」という言葉がまったく出てきていなくて、私はがっかりしてるんです。

 小沼さんがリアルな活動の中で、日本企業と共に、日本が育てるべき人材の指標のようなものを作ってくれて、それが産業界全体で共有できるものになったらすばらしいです。もしそれが実現すれば、今度は学校教育でも、それを人材育成の目標や指標として使える可能性もあります。

 だとすると、その活動は非常に大きな可能性を含んでいますよね。そういう地点も目指してみる価値は十分にあるんじゃないでしょうか?

小沼:今、ビジョンがさらに膨らみました!(笑)

 でも、本当にそれくらいの気概を持ってやっています。若い世代の人たちが10年後、20年後の将来を見越したうえで必要となってくる人材の指標は、われわれの世代が自分たちの手で作っていく必要があると思っています。

伊賀:その指標がお役所や学校からではなくて、実際に現場で活動している人の中から構築されるというのが、素晴らしいと思います。またそれが、日本に限らず世界を意識した評価基準だといいですね。

 ただ、現時点では日本での人材育成目標を、世界基準の指標に当てはめるのは難しいところもあります。アメリカではリーダーシップに関する教育はすでに中学高校の公教育に浸透していますが、日本ではそうではありません。「リーダーシップとは何か?」というところから始めるなど、第一段階としては、日本企業に合わせた基準が必要なのかもしれないと思います。

小沼:現時点の日本の企業や人材の状態を踏まえて、評価の細分化を考えるべきかもしれませんね。現状ではまだ、アメリカやすでにNPOで活動されている方と同じ基準では測れないと思いますので。