2012年1月号

「総力戦研究所」とは何だったのか

総合国策の研究と次世代リーダーの養成

土居 征夫 :学校法人城西大学 イノベーションセンター 所長

土居 征夫

学校法人城西大学 イノベーションセンター 所長

真珠湾攻撃の4カ月前、内閣総理大臣の直轄機関で、あるシミュレーションが行われた。総勢35名、次代を担うリーダーとして各省庁、民間企業、陸海軍から選抜された平均年齢33歳の若きエリートたちは、総力を挙げて日米開戦を前提とした戦局を予測した。そこで導き出された結論は「日本必敗」、その内容は、後の太平洋戦争における戦局の推移とほぼ合致していた。 彼らの所属した「総力戦研究所」は、総合国策の調査研究と国家中枢で大局的構想を実現しうる次世代リーダーを養成するため、欧米の国防大学をモデルに設立された。研究生たちは、政治、経済、外交、国民生活等を総括した政策を立案する能力を養い、共通認識を持つことで強固なネットワークを形成した。だが、教育訓練の目的は一部達成されたにもかかわらず、彼らの研究成果はついに国家戦略に反映されることはなかった。その原因は、明治以降のリーダー教育の失敗であり、この問題はいまも日本が抱える課題である。

土居 征夫学校法人城西大学 イノベーションセンター 所長

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