今号のシスコシステムズ、IDEO、ピクサーの論文では、「コラボレーション」の重要性が強く主張されていますが、ビジネス実学の世界において、コラボレーション──「協働」あるいは「協創」と訳されることもあります──が言葉として意識され始めるようになったのは、一九九〇年八月に発行されたマイケル・シュレーグのShared Minds: The New Technologies of Collaboration(邦訳『マインド・ネットワーク』プレジデント社、一九九二年)がきっかけといわれています。
その真偽はさておき、時同じくして、決められた職務分掌を忠実にこなす「野球」型組織から、与えられた役割をよりダイナミックに果たす「ラグビー」型組織、さらには状況に応じてあたかも即興のごとく臨機応変に行動する「ジャズ・コンボ」型組織、「ハイパー・テキスト」型組織などが提唱されましたが、これらの新しい組織パラダイムに底流していたのも、コラボレーションでした。
それ以降においては、「サッカー」型組織、「リアル・チーム」「クロス・ファンクショナル・チーム」「オープン・イノベーション」と表現を変えて、コラボレーションの必要性は訴えられ続けてきました。
このように、異分野の人たちが、部門や組織の壁、時には国境を超えて協力し合うコラボレーションには、次のような効果が期待されています。