DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー
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DHBR 目次と読みどころ
<2008年1月号 2007年12月号 2007年11月号> 最新号とバックナンバーの紹介
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2007年12月号の読みどころ
グレート・カンパニー 長期志向の経営
ひさびさの秀作 グレート・カンパニーの条件

 今号四〇ページ掲載のインスブルック大学准教授のクリスチャン・スタドラーによる「グレート・カンパニーの条件」は、久しぶりの秀作ではないでしょうか。著者を含め八人のマネジメント研究家が四年間にわたって実施した調査が下敷きになっています。
 いちばんユニークな点は、ヨーロッパ企業を対象にしているところでしょう。これまで優良企業研究は、トム・ピーターズとロバート・ウォーターマンの『エクセレント・カンパニー』(二〇〇一年、ピーターズは『ファスト・カンパニー』誌で、この調査データが改ざんされ、調査結果の内容がねつ造されたことを告白しています)やジェームズ・コリンズとジェリー・ポラスの『ビジョナリー・カンパニー』などが有名ですが、いずれもアメリカ企業を対象にしたものでした。
 過去においてピーター・F・ドラッカーなどから長期志向経営の手本として評価されてきた日本企業ですが、一九八〇年代以降アメリカ化し、その結果アメリカ企業の轍を踏み、現在新たな経営モデルを模索しています。その意味からも、ヨーロッパ企業の研究はまさしく注目に値します。
 また、この調査プロジェクト名は「持続的成功企業の調査プロジェクト」というように、長期志向の経営モデルを探るものです。まったく時宜に適ったテーマではありませんか。
 彼らは最終的に、シーメンス(独)、ノキア(フィンランド)、アリアンツ(独)、リーガル・アンド・ゼネラル(英)、ミュンヘン再保険(独)、ロイヤル・ダッチ・シェル(蘭)、グラクソ・スミスクライン(英)、HSBC(英)、ラファージュ(仏)の九社を「グレート・カンパニー」として選び出しました。そして次のように、これら九社に共通する四つの経営原則を導き出しています。

 (1)新しい資産を求める前に、既存の資産を活用せよ。
 (2)事業ポートフォリオを多様化せよ。
 (3)過去の過ちを忘れるな。
 (4)改革には慎重であれ。

 (3)と(4)に目新しさを感じませんが、(1)と(2)──言い換えれば「いたずらにイノベーションに走るな」「選択と集中だけでは長期に成長できない」──はおやっとさせられます。しかも、彼ら自身もみずから指摘しているように、これまでの優良企業研究において必ず出てくる「企業文化」や「ビジョン」の重要性を挙げていないことも特徴的です。
 調査対象企業の歴史について過去五〇年分を研究したことから、この論文は読み物としても大変魅力的に仕上がっています。近く書籍化されるとのこと。早く邦訳が読みたいものです。
2007年12月号 グレート・カンパニー 長期志向の経営
定価 2,000円(税込) この本を購入
表紙
特集 グレート・カンパニー 長期志向の経営
ヨーロッパ企業の興亡に学ぶ
グレート・カンパニーの条件
記事詳細
クリスチャン・スタドラー  インスブルック大学 経営大学院 准教授
事業ポートフォリオの死角
「キャズム」を超える成長戦略
記事詳細
ジェフリー・A・ムーア  TCGアドバイザーズ 社長
新規事業のオプション価値を見逃さない
バリュー・キャプターの戦略
記事詳細
リタ・ギュンター・マグレイス  コロンビア・ビジネススクール 准教授
トーマス・ケイル  ヘルシンキ工科大学 教授
アイデアの開発、変換、普及を管理する
イノベーション・バリューチェーン
記事詳細
モルテン・T・ハンセン  INSEAD 教授
ジュリアン・バーキンショー  ロンドン・ビジネススクール 教授
オープン・ソーシングの戦略ガイド
イノベーションを賢く購入する法
記事詳細
サティッシュ・ナンビサン  レンセラー工科大学 ラリー・スクール・オブ・マネジメント・アンド・テクノロジー准教授
モハンビール・S・ソーニー  ノースウェスタン大学 ケロッグ・スクール・オブ・マネジメント 教授
売上データに頼った販売戦略の罠
ブランディング近視眼
記事詳細
レオナルド・M・ローディッシュ  ペンシルバニア大学 ウォートン・スクール 教授
カール・F・メラ  デューク大学 フュークア・スクール・オブ・ビジネス 教授
「人材工場」P&GとHSBCに学ぶ
リーダー人材を大量生産する方法
記事詳細
ダグラス・A・レディ  ロンドン・ビジネススクール 客員教授
ジェイ・A・コンガー  クレアモント大学 マッケナ・カレッジ 教授
OPINION
ドイツ企業の環境戦略
ヘルマン・サイモン  サイモン・クチャー・アンド・パートナース 会長
HBR Articles
プロミス・ベース・マネジメントの実践
組織は「約束」の集合体である
記事詳細
ドナルド・N・サル  ロンドン・ビジネススクール 准教授
チャールズ・スピノザ  ビジョン・コンサルティング グループ・ディレクター
四つの基準と三つのアプローチで成功率を高める
グローバルB2Bマネジメント
記事詳細
ジョージ・S・イップ  ロンドン・ビジネススクール 教授
オードリー・J・M・ビンク  アクスブリッジ・カレッジ マーケティング・コミュニケーション学部長
Serial Article
立石一真ものがたり「できません」と云うな
【第六回】生い立ちと社憲
記事詳細
湯谷昇羊  ダイヤモンド社 論説委員
BRAIN FOOD
失敗する前に失敗の原因を探る
ゲイリー・クライン  クライン・アソシエーツ チーフ・サイエンティスト
値頃感のマーケティング
ベンカテシュ・バラ  ケンブリッジ・グループ 経済センター 所長
ジェイソン・グリーン  ケンブリッジ・グループ プリンシパル
デルファイ法の復活
ロバート・S・ドゥボフ  ホーク・パートナーズ 創設者兼CEO
CEOは経営陣を過大評価している
リチャード・M・ローゼン  ハイドリック・アンド・ストラグルズ パートナー
フレッド・アデア  ハイドリック・アンド・ストラグルズ パートナー
デザイナーが製品開発の柔軟性を高める
ラビ・チャットパー  フロッグ・デザイン 戦略ディレクター
日本の経営者報酬制度は機能しつつある
境 睦  桜美林大学 ビジネスマネジメント学群 教授
阿部直彦  タワーズペリン 駐日代表
矢内裕幸  日本取締役協会 専務理事
CHIEF OFFICERS
一貫したイノベーションへの努力が「エンゲージメント」を創造する
ギャレット イルグ  アドビ システムズ 代表取締役社長
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